
AIを使い始めた頃、こう思っていた。「プロンプトさえ上手く書ければ、自動的に良いものがじゃんじゃん出てくる」と。
確かにプロンプトは大事だ。でも、もっと手前に大事なことがあると気づいた。それは、自分が何を求めているかを明確に持っているかどうかだ。
AIはお任せにすると「それなり」を返してくる
AIに「サービスのLPを作って」と依頼すれば、それなりに整ったものが出てくる。構成は論理的で、文章は読みやすく、一見問題なさそうに見える。
でも、それを公開できるかと考えると、何かが引っかかる。「なんか足りない」という感覚だ。
その「なんか足りない」の正体は、自分の基準とのズレだ。自分がどんなトーンで書きたいか、どんな言葉でターゲットに届けたいか、どこに力を入れたいか、そもそも何を届けたいのか。そういった基準がないまま依頼すると、AIは無難な平均点を返してくる。
平均点は悪くない。でも、人の心に刺さり継続的に使ってくれるものは平均点からは生まれない。
指摘できるかどうかが、AI活用の差になる
サービスLPを10本以上作る中で、あることに気づいた。AIが出してきたものに対して、的確に指摘できるときとできないときがある。
的確に指摘できるときは、自分の中に明確な基準がある。「このコピーはターゲットの言葉になっていない」「この構成では感情に訴求できない」「この言い回しは正しくない」。そういった指摘が自然に出てくる。
指摘できないときは、自分の基準が曖昧だ。何となく違和感があるのに、何がどう違うのか言語化できない。結果として、AIが出してきたものをそのまま使うことになる。
指摘の質がアウトプットの質を決める。そしてその指摘の質は、自分の基準の明確さで決まる。
基準はどうやって作るか
「自分の基準」と言っても、最初から明確に持っている人は少ない。自分もそうだった。事前に文章化するのは難しい。
基準を作るのに効果的だったのは、良いと思ったものを言語化する習慣だ。「これは良い」と感じたコピー、「これは刺さる」と思ったLPの構成。なぜ良いと思ったのかを1行でもいいから言葉にしてAIに伝えておく。
積み重ねていくと、自分が何を大事にしているかが見えてくる。それが基準になる。
もう一つ効果的だったのは、AIに聞き返すことだ。「なぜこの構成にしたのか?」「こういう視点もあるがどう思うか?」と問うと、AIは理由を説明してくれる。その説明を聞いて「それは違う」と思えるかどうかが、自分の基準の有無を確認する良いテストになる。
プロンプトより先に、基準を磨く
AIを上手く使いたいと思ったとき、多くの人がプロンプトの書き方を学ぼうとする。それは間違いではない。
でも、プロンプトは結局、道具だ。道具をどう使うかは、自分が何を作りたいかによって決まる。作りたいものが明確でなければ、どんな道具も使いこなせない。
AI活用のボトルネックは、プロンプトではなく自分の基準だった。
基準を磨くことに時間を使う。自分の思考に敏感になり、曖昧に流さない。指摘の言葉を丁寧に選ぶ。そうすることで、AIは初めて本来の力を発揮してくれる。
この取り組みのスタート宣言はこちら → AIが来て、ひとりスタートアップが変わった。
前回のノウハウはこちら → テーマ設定だけは、AIに任せられない。
作っているサービスはこちらにまとめています。 → showcase.p1st.app
Xで毎日発信しています。→ @d_sea