
AIを使い始めて気づいたことがある。AIは本当に何でも答えてくれる。聞いたことには必ず返してくれるし、関連することまで膨らませてくれる。 「わかりません」と絶対言わない頼もしい存在。
でも、それが時として邪魔になる。
「穴がない」ことの落とし穴
サービスのLPを作るとき、AIが出してくるものは完成度が高い。構成は整っていて、文章も読みやすく、特に指摘するような穴がない状態で示してくれる。
一見それは良いことのように見える。でも、それがかえって判断を難しくする。
問題は「今のフェーズで何を検証すべきか」という目的意識だ。AIはLPとして完成度の高いものを作ろうとする。でも今必要なのは、MVPとして「この仮説が正しいかどうか」を確かめることだ。AIはその目的をあまり気にせず、検討を進める傾向がある。
リーンスタートアップで言えば、AIはステップの理解は完璧だ。でも「今はMVPだから、この要素は後回しでいい」という判断は苦手だと感じる。聞けば教えてくれるが、自分から捨ててはくれない。
「何を捨てるか」の裏側にあるもの
1日1サービスを作るようになって、捨てることの重要性を実感している。
1.5時間でLPを1本作るには、考えないことを決めるのが先だ。「競合分析は今やらない」「価格設定は後で決める」「機能の詳細は今は書かない」。こうやってスコープを絞り込んで初めて、AIとの作業が高速に回り始める。
ただ、捨てることは目的ではない。捨てることができるのは、「今最も検証すべきことは何か」が明確になっているからだ。
今回のLPで確かめたい仮説は何か。ターゲットのどの課題が本当に痛いのか。事前登録という行動を取るほどの需要があるのか。この優先順位が決まっていれば、それ以外は自然に捨てられる。逆に言えば、優先順位が曖昧なまま作り始めると、AIが出してくる「完成度の高いもの」をそのまま受け取ってしまう。
何を捨てるかを決めるのは、人間の仕事だった。そしてその判断の根拠は、今何を最も検証したいかという優先順位にある。
フォーカスを決める3つの問い
自分が今使っている問いはこうだ。
「今回のLPで確かめたい仮説は何か」 機能を伝えたいのか、課題の共感を確かめたいのか、事前登録という行動が取れるかを見たいのか。仮説が決まれば、それ以外は捨てられる。
「これは今日必要か、それとも後でいいか」 「重要かどうか」ではなく「今日必要かどうか」で判断する。重要なことは山ほどあるが、今日やることは1つか2つだ。
「これをやらなかったら、今回の検証はできないか」 逆算で考える。検証に直結しないなら、どんなに気になっても今は捨てる。
AIと働くとき、人間がすべきこと
AIは優秀なスタッフだ。指示したことは確実にやってくれる。でも、何を指示するかを決めるのは人間だ。
今何を検証すべきかを決める。フォーカスを決める。捨てることを決める。これらはAIには任せられない。
AIの能力を最大限に引き出すのは、実は人間側の「今何が最も重要かを知っている力」だと思っている。
この取り組みのスタート宣言はこちら → AIが来て、ひとりスタートアップが変わった。
前回のノウハウはこちら。→ AIに任せっぱなしにすると、「それなり」止まりになる。
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