
AIは万能な機械。使い始めた頃は、そう思っていた。 ところが毎日一緒に作業していると、機械というより人間に近いな、と感じる場面が増えてきた。しかも、あまり嬉しくない方向の人間っぽさ。 #1日1スタートアップのノウハウ #11 は、この「AIは人間っぽい」について書いてみる。
古い履歴から、忘れていく
AIとのチャットは、長く続けるほど古い部分から忘れていく。 序盤に決めたルールや前提が、後半では抜け落ちていることがある。こちらは「最初に伝えたはず」と思っていても、AIの側には届いていない。
人間の同僚でも、数か月前の打ち合わせの内容は曖昧になる。それと似ている。 これを避けるノウハウとしては、チャットの履歴に頼らず、あとから参照できる形で残しておく必要がある。このプロジェクトでも、設定や運用ルールを手順書として Notion にまとめている。
引き継ぎは、正確に伝わらない
チャットが長くなったら、新しいチャットや別のタスクに作業を引き継ぐことになる。 古いチャットに引き継ぎ用の文章を生成してもらったとしても、こちらが伝えたつもりの内容と、AIが受け取った内容にズレが出る。要約された時点で細かい条件が落ちたり、前提が微妙に変わったりする。
人間同士の引き継ぎでも、口頭だけで済ませると抜けが出る。あれと同じ構造。 引き継いだ直後は、前提が正しく伝わっているかを一度確認したほうが安全だった。
作業は速いが、ミスもある
AIは作業が速い。ただし、速いぶんミスも混ざる。
- 頼んでいない部分を、勝手に変更している
- 指示を勘違いしたまま、最後まで進めている
- 出てきた文章に、事実と違う箇所や不正確な表現が含まれている
実際に、サービスの内容やターゲットを、こちらが意図しない形に書き換えられていたことがある。AIには悪気がなく、むしろ良かれと思って直している。だから余計に気づきにくい。
だから、マイクロマネジメントになる
結果として、AIとの作業は、ある程度マイクロマネジメントになる。
- 出てきた結果に、小さなミスや誤認識がないかを確認する
- 変更してはいけない部分は、最初から明示しておく
- 答えが意図と違うときは、遠慮せずに突っ込む
AIは、こちらが「わかりません」と言わせない限り、もっともらしい答えを返してくる。そのまま受け取ると、ズレたまま先へ進んでしまう。
機械ではなく、同僚として付き合う
ここまで書くと、AIの欠点ばかりに見えるかもしれないけど、見方を変えると、扱い方も見えてくる。
忘れっぽくて早とちりもするが、仕事は速くて、広い範囲をカバーしてくれる同僚。そう考えれば、次のような付き合い方が自然に決まる。
- 大事な前提は、何かしらに書いて渡す
- 任せた仕事は、出来上がりを確認する
- 触ってほしくない・やらなくていい部分は、先に伝える
AIを万能な機械として扱うと、期待とのギャップで疲れる。頼れるけれど完璧ではない同僚として付き合うほうが、長く続けやすい。
スタート宣言 AIが来て、ひとりスタートアップが変わった。
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