自分が言葉にして出してみることで、意外と自分の考えが発見できたりするもの。 今回は、妻から相談を受けた時の自分の答えに自分でハッとしたのでメモる。
相談「友だちに仕事頑張りすぎ。って言われた。どう思う?」
確かに妻は頑張っちゃうタイプ。 自分と違って学生時代はテスト前の勉強は一夜漬けすることなく事前にしっかりやっていたようだ。勉強することへの抵抗感も少ない。
で、僕の答え。
「頑張ったからと言ってビジネスの成功は得られるものではない」
成功は頑張ったご褒美ではない
ビジネスで成功する時、仕事を受注する。社内稟議が通る。作ったサービスが流行る。資金調達ができた。など大小関わらずうまくいく結果を得ようとする場合。「頑張った」というパラメーターは成功には関係ないと思っている。
頑張った量が一定を超えた時に成功する訳ではない。もしそうなら成功の法則がすでにあることになって、たくさんの人が頑張った量だけで成功しているだろう。
よく発想しがちな「こんだけ頑張ったんだから成功できる。」という考え方は全くナンセンスだと思っている。
頑張らせる教育の弊害
頑張りに縛られる原因は自分たちが受けた教育が大きいと思っている。
僕らの世代は親がちょうど働き盛りの時に高度経済成長真っ只中で、頑張って働けば豊かになれる。と思って働く親の姿を見て育っている。
学歴社会で、偏差値の高い学校に入る = 大企業に入って定年まで勤める = 良い人生 の法則が成り立っていた。
ベンチャー・スタートアップなど小さくても大きく成功できる仕組みも知らなかったし、存在自体もなかった。
だから、受験勉強を頑張り偏差値の高い学校に入ることをみんな目指した。なぜ勉強をするのか?勉強の内容がどう将来に活きてくるのか?そんなことは考えもせずに、ただ出される問題を解くために勉強している。
この 考えずに頑張ってしまう トレーニングは結果としてビジネスや起業には邪魔をしてしまう。
大事なのは失敗の繰り返し
いくら頑張っても、やっていることが効果的でなければ、明後日の方向に玉を打ち続けていることになるので、いつまでも成功は得られない。
成功を得るためのアプローチは、やみくもに進むのではなく、意図を持って自分が得たい結果に対して正しく進めているかどうか、試しながら修正しながら近づいていくイメージ。
やってみた結果、思った通りにならなかったら修正する。またやってみる、また修正する。の繰り返し。 起業やスタートアップなど、世の中にないものを生み出そうとする時には特に重要なアプローチだと思っている。
だいたい転職・起業・スタートアップなど、誰しも最初は経験のないものの場合、最初はほとんど失敗する。そしてあんなに頑張ったのに。。と落胆してしまう。 落胆する必要はまったくなくて、失敗した現象をよく見て、その原因と解消するための方法を素早く決めて、また試す。今度はまた違った部分がうまくいかずに失敗する。また修正して試す。 大学生の研究室で行っていた実験に近い感覚。
その繰り返しを重ねることで精度が上がってくる。 そうやっていつしか成功という狙った結果に近づく。と思っている。
失敗に鈍感になる
このアプローチを取る時のコツは、失敗に鈍感になることかと思う。
なにか悪いことをしてしまったような感じは捨てる。悪いと思うだけ自信を奪いパフォーマンスが悪くなる。 オセロの相手がコマを置いたのと同じように、「こう来たか。であればこれならどうだ。」みたいな感じが良いと思う。
世の中に対して実験しているんだ。くらいに思っておけばOK。
人間は感情の生き物だから、心の持ちよう・気構えみたいなのは意外と重要だし、まじめな人ほど一生懸命頑張ろうとするので、結構このことに気付くのは難しかったり失敗を重ねる時間が必要だったりする。
自分で会社をおこして8年経って、数々の失敗をしてようやくわかった境地が、誰かのためになれば幸いです。