Players1st を作る前の調査段階でスポーツビジネスを学ぶために行っていたのが、バンタンスポーツアカデミーのイベントでした。
Players1st もリリースでき、今後このサービスがどうなっていくべきか、どういうものを目指していくか、もっと大きな絵を描きたくなっている。大きな絵を描くためには周りの流れがよく分かっている必要があるので、ひさしぶりにバンタンスポーツアカデミーのイベントを覗いてみたら魅力的なイベントが募集中だったのでさっそく申し込み、参加してきた。
タイトルは、「スポーツ次世代カンファレンス 〜リオオリンピックを終えて、日本代表の大躍進の理由、そしていよいよ始まる東京への日々」。講師は、日本オリンピック委員会 広報・企画部 部長 の 中森康弘氏。
オリンピックの中の人の話は貴重だし、オリンピック委員会が何を意図して活動しているのか、特にビジネス面で何を狙っているのか・逆に意識していない範囲を把握したかった。それが Players1st の狙い所になると思ったので。
会場は満員。50名以上はいただろうか。さすが オリンピック というキーワードの持つ力。
内容は、先日終わったリオオリンピックのまとめ資料の紹介、各国のメダル数、日本にフォーカスしたメダル取得競技についてなどなどの紹介。配布された資料は公開されているもので、データは主にメダル数の統計なので真新しい情報ではない。
以下ログと今後 Players1st で狙って行きたいと思ったことのメモ。
企画者の半田さんスライド
- 2011.06.24 スポーツ基本法制定された
- 文科省内にスポーツ庁がある
- 2019ラグビーワールドカップ、2020東京オリンピック、2021ワールドマスターズ
- 市場規模
- アメリカNFL,MLB,NBA,NLF 6000億円 2兆6千億円 2009/2010年
- 日本 プロ野球, Jリーグ 1500億円 2012年
- アメリカ 大学体育協会 NCAA 700億円 2009/2010年
- NYヤンキース 427億円、読売巨人軍 218億円、レアルマドリード537億円、浦和レッズ56億円 2010/2011年
- ナイキ 3兆5千億、ミズノ1870億円 2014/2015年
JOC 中森さん 広報企画部
- (スライドなし、紙の資料配布)
- マイケルポーターの企業戦略論をスポーツと同じ、孫子も同じ
- 1ヶ月前に勝てるとわからなければオリンピック招致できない。戦略たてる。戦略重要。
- リオオリンピック 28競技、306種目
- 参加国数、205+IOA IOCから抹消された国のアスリート+ROT難民選手団
- 選手数11000名、東京は12000名だろう、運営費が上がる、選手個人負担から開催国の組織委員会の負担になった。今は開催国の組織委員会負担。
- これからデジタルプラットフォーム増えるだらう、放映権大事なので監視も課題
- 放映権3000億、10%?(聞きそびれた)を引いた中の 51%IOC、組織委員会49%
- 過去の金メダル数日本の最高は東京オリンピックを目指す。リオの3位は中国26個、今回12個、いけるのか?イギリスに学べ。
- どの競技種目にかけるか、資金の投資の仕方を決める。
- アメリカは陸上、水泳で金30個も取っている。
- アメリカはすべての競技のナショナル施設がコロラドスプリングス、サンディエゴに持っている。日本は西が丘に室内14競技限定の競技施設2007年作ったがある。
- 国々の人々の競技特性がある、イギリスはボート、カヌー、馬術が強い。
- 取るべきものは取る、あとはどこをとるのか。
- 日本が取った金メダルはすべて室内競技、ナショナルトレーニングセンターにある、成果が上がってきている。
- アメリカは知的財産、権利が法律で認められるベースが作れた。日本は保護主義的、国がお金を配る。これからは民の力、日本は知的財産の法律がない。保護する法律が欲しい。市場ができる。お金を生み出す仕組みを整えて欲しい。
- 国は口は出すがお金を出さない。パレードやるけど誰がお金出すのか?のせめぎ合いを今している。
- ローザンヌ一年奥さんと暮らした。家族で会わないと話にならなかった。人間関係、家族関係も頭に入れて招致した。
- 競合も同じような商品と見たの場合、ロビング、アピール、イメージ作りで差がつく。
- 大学スポーツは箱根駅伝が目標になっている。そこから先に行かない。大学のスタンスがそこまで。世界でやるという目標にしないと行かない。サッカーはクラブ制度に移行して子供たちが世界を見るようになった。世界を見るような指導をして欲しい。
聴き終わって思ったこと
- 日本の市場規模はアメリカに比べるとまだ伸びしろがあるかもしれない
- オリンピック委員会のもうけの主は放映権料、デジタルメディアにも広げていくのは必然
- 日本の成長を図る指針は 金メダル数 > 総メダル数
- 日本が金メダルを取れる競技は 水泳、体操、レスリング、柔道。室内競技。
- 結局はオリンピックは権利ビジネスなんだな。競技と選手の権利を抱えてそれを切り売りする。映像で出すなら放映権、出版、様々な媒体に権利を絡めて高付加価値にして高価格で売れる仕組みを作る。
- オリンピック招致はお金のかかるロビー活動の成果。
Players1stの狙い所
- JOCが力を入れない、金メダルが取れなさそうな競技をターゲット競技にする。
- メダルが取れない競技でも必ず 日本代表 選手がいる。そこが狙い目になる。
- ターゲット競技の権利関係をおさえてオリンピックと同じビジネスモデルにすれば良さそう。
- ex. Players1st登録選手の写真集、映像(DVD)の販売ライセンスを握って、選手に還元しつつ売り上げる。
- マイナースポーツ選手の権利管理もやりますよ。
- コンセプト : マナースポーツのすべての選手の受け皿になる。
- ナショナルトレーニングセンターのような施設をPlayers1stブランドで持つ。
- 力のない競技団体に助成金を渡す。
知的財産権を保証したビジネスがオリンピックのモデルなので、純粋にそれをいわゆるマイナー競技で行えば、オリンピックの「少数のトップオブトップ型」に対して「多数のマナートップのロングテール型」で成り立つのではないか。そんな新しい視点を手に入れることができた。