シリコンバレーのGoogle本社(Googleplex)に見学しに行った(シリコンバレー会社見学 Googleplex)のが、6年以上前。 その時にも独特の文化がGoogleの中で成り立っていることを、オフィスのレイアウトや社員の方のお話から感じることができた。
そのGoogleの社内文化、働き方について成り立ちや理由を整理して解説したのがこの本。
筆者は現会長(元CEO)エリック・シュミットと現CEOのアドバイザー ジョナサン・ローゼンバーグ。 Googleの経営陣による執筆なので、Google社内文化の解説にとどまらず、その中で自分たちは経営陣としてどう振る舞ったか、またメールやコミュニケーションの仕方はどうするか、といったGoogle経営陣としての業務のやり方も記述されている。
Google社内の様子は社員と会社の契約(厳しい規定があるらしい)のもとあまり表に出てこない。最もGoogle社内の様子を対外的に示した情報といえるかもしれない。
大項目は、文化、戦略、人材、意思決定、コミュニケーション、イノベーション となっている。
興味のある項目から読んでいった。自分の読んだ順番は、意思決定、イノベーション、戦略、コミュニケーション、文化、人材。
総じて思うのは、Googleの企業文化は、就職経験がない創業者2名のスタンフォード大学でのやり方を尊重した影響が大きいが 、今までの20世紀型の古いやり方を完全に否定していて、21世紀型の企業文化・経営を自ら模索し定義したところにある。
今までの古いやり方で生じるデメリット、起こりがちな悪しき振る舞いを明確に示し批判する。痛快だ。
最も重視しているのは スマートクリエイティブ と本書で読んでいる人たちをいかに増やし、いかに自由を与えて発想・行動してもらえるか。という点。
従来型のトップダウンのアイデア・発想・単なる指示命令とは正反対の、自然発生的なボトムアップのアプローチ。だから、古いやり方を徹底的に否定し、自らの求める企業文化を追求する。
経営者が書いているので、文化を学ぶだけでなく、新しく会社を起こそうとしている・起こしたスタートアップ・ベンチャーの経営者には新しい企業文化を作っていく際の大きな指針になるだろう。
21世紀型企業文化を模索している人には必読。