宮部みゆきの代表作。
今までいくつか宮部みゆきの小説は読んできたが、やはり代表作は「火車」ということで、ようやく読めた。
しかし、人気小説なので定価も高いw。ブックオフでも510円した。文庫本でこの値段は珍しい。
582ページとページ数が多いけど、飽きることなくどんどんと読み進める。半分ほどを読み終えてからラストはどうなるのだろう、残りページが少なくなるほどどんな終りを迎えるのかドキドキした。
この小説のポイントはなんといっても、犯人と思われる人物が最後の最後まで出てこない点だろう。それまでは写真、足取り、書類の中でしかない。ようやく最後に表れ、そして結果を描くことなく終わる。
ラストを迎えてもなお気になる、謎と今後。あれは実際どうだったのだろう、そしてこれからどうなってしまうのだろう。
この小説の世界を映像化するのは難しいだろうなと思った。宮部みゆきの描くシャープでスリリングな世界観が、読者の頭の中の空想の世界で美しく再現される。それを一定の制約のある映像では超えることはできないだろう。
ちょっと調べたら、韓国映画として作られて韓国ではヒットしたようだが、微妙にあらすじが変わっているので、やはり難しいのだろう。
宮部みゆきの作品はどれも質が高く楽しめるが、これは確かに最大のサスペンス小説だ。