ポッドキャストでいつも聞いている The Lifestyle MUSEUM に筆者である中野京子さんが出演されて、有名絵画が描かれた知られざる恐ろしいストーリーについて話されていて、それがとても面白くもっと知ってみたいと思い本を買ってみた。
中野さんは怖い絵シリーズを複数書かれており、これは最初の一冊になる。
全22作品についてラジオ同様、絵画の書かれた時代背景などから知られていないストーリーを紹介してくれる。
一見何の変哲もない見慣れた有名絵画が、現代の視点では気づけない当時の時代背景を反映した残酷な物語に豹変する。今まで見たことのある程度だった作品が隠されたストーリーを知ることで全く違った印象になるから面白い。
個人的には、一見何も怖くもない絵画にはこんな時代背景があって、うっすら写っているのは実はこういうことでした。と紹介される絵画が一番驚きと発見を感じることができた。
ただ、紹介されている作品は様々で、「背景を知ることで怖くなる絵」と「単純に見た目が怖い絵」が混じっている。
「怖い絵」 というタイトルとしてはまぁ良いのだろうが、「背景を知ることで怖くなる絵」に絞り込んだほうが意外性が高く、テーマとしてもはっきりしたのではないかと思った。
見た目が怖い絵に関しては時代背景を述べても見た目の印象以上になかなか怖くならず、ちょっと無理に文章を作っている感を感じる部分もあった。
いずれにせよ絵画を捉える一つの新しい新鮮な視点の提案で、とても面白く読んだ。