急に売れ始めるにはワケがあるの中で紹介されていた本。 (参考: 急に売れ始めるにはワケがある レビュー)
最初はみんな間違っている
スターバックスは最初のテンポは今とは全く違って評判も良くなかった。意見を反映して今のような心地よい場所を提供する空間になった。
大物コメディアンは小さな舞台で新ネタをいくつも試す。この段階ではほとんどウケない。顧客の反応から受けたギャグを磨き上げてテレビや大きな舞台で披露する。
というような事例を紹介し 最初はみんな間違ったところからスタートする ことをおさえている。
この点は基本的に プランB で述べられていることと同じ。 (参考: プランB レビュー)
背景にあるのは不確実な時代
なぜ小さく賭ける必要があるのか。それは時代が不確実になって先のことが予想できないから。
ウォータフォールモデルでは失敗すること。失敗をしながら修正して正しくしていくこと。 なにもしないという選択肢はなく、なにかを新しく作り出すことが求められる時代になっている。
この前提で本書も述べられている。
いくつかの本の要素をミックスさせている
この本自身がユニークではなくて、いくつかの本の要素を組み合わせて解説している。
- 主張の本質 : プランB
- 時代背景と生き方 : スタートアップ!
- ユーザに聞く : アントレプレナーの教科書、スタートアップマニュアル
この本を必ず読んだほうが良いというより、上記にあげた本の補完として読んでおさらいするという感じが良いと思う。
すごく新しい話はあまりない。
ちょっと発見だった部分
とは言え、をっと思った部分はいくつかあったので引用しておく。
Loc818
「努力を称賛された子供たちは挫折に直面しても、知的な自信を失うことがなかった」しかし知性を称賛されたグループは、難しい課題を与えられると対照グループより成績が明確に劣り、新利益な反応もちょうど逆だった
Loc 829
能力だけを称賛すると粘り強さに悪影響があるのに対して、問題解決のための努力やその過程でいかに学んだかを称賛した場合は、成長志向のマインドセットの発達を促すことが確認された。
Loc 1262
ほとんど完成段階に来ている製品を見せられた場合、テストに参加した消費者は欠点や不満など否定的な意見を言いにくくなる。
Loc 1265
一見してそれが初期のプロトタイプであるとわかる。消費者は、「会社はまだ色々助けを必要とするようだ。それなら本気で考えて正直なところを言ってやろう」と考えてくれる。
読んでもわからない点
正しい方向への修正点の見つけ方
基本的には潜在顧客なりアーリーアダプターに見せてそのフィードバックを元に反映するのだけど、フィードバックからどう実際修正点につなげるのかが重要になってくる。
フィードバックに修正点がはっきり示されていれば良いけれど、先端的な分野だと顧客は提示されるまで何がほしいのかわからないので、具体的な修正点はフィードバックに入っていない場合もある。
そうなると、フィードバック含まれるわずかな反応、仕草、表情の変化などを見ながら変更しなければならない。その時のポイントはなんだろう?残念ながら書いていない。
アーリーアダプターの見つけ方
初期段階でアーリーアダプターの意見を反映して修正していくアプローチは正しいと思う。
確かにその通りだし、それをやりたい。でもどうやってアプローチを見つければいいのだろう。 ひとつ事例を紹介しているが、見つけ方のコツは書いていない。
サービスを作っている立場からすると本当はこの部分が最も聞きたい部分なのだけど、本書の範疇外だから、自分の工夫やアイデアでアクションを考えるしかない。