急に売れ始めるにはワケがある ネットワーク理論が明らかにする口コミの法則(ソフトバンク文庫)
プロモーションをどう取り組むか
サービスを流行らせることに対してどんな発想で取り組んでいるだろう。
エンジニアしかいないチームに結構多い失敗パターンは、サービスの開発を一生懸命にやってできたけど、リリースしてみたら注目されず、さて困ったとなってしまうこと。 サービスが流行って欲しい気持ちはあっても、何もしなくてはサービスの存在はないのと等しい。
根本的な考え方として「良いものをつくれば黙ってでも売れる」時代ではもうないので、サービスを使って欲しい人に対して正しく伝えられるか というプロモーションの課題は、サービス開発と同じくらい重要な要素になっている。
理想は口コミプロモーション
では、プロモーションとして何をするか。
メディアへの露出は毎回使えるわけではなく、スケールさせたい時にタイミングをはかって使うには良いけど、シード期には規模は小さくとも熱心に使ってくれるターゲットに効率的に情報を届けたい。
やっぱりそこは口コミで広がっていくことを狙いたくなる。
ではどうやって?実は口コミを意図的に作るためのノウハウが自分にはないことに気づいた。 FacebookやTwitterにポストするだけであとは何をしていいやらと迷走していた。
そこでこの本を買った。
口コミが発生する法則を解き明かす
多分、原書のタイトルは「ティッピング・ポイント」。邦題とニュアンスが違ってくる。 口コミの解説というより、急激に広がる現象(ティッピング・ポイント)が起きる時にどんな要素が必要なのか。どういう背景があるのか。と言った点を解き明かすスタイルになっている。
ビジネスにフォーカスしたというより、様々な分野や研究結果から実例を元に解説しているので、法則を解説する論文的な側面がある。
論理は理解、あとは自分次第
ティッピング・ポイントが発生するためのメカニズムと発生に必要な要素や背景を理解することができる。 では、自分のサービスを流行らせるために何を具体的にしていこうか。そこは書いていない。自分で考え出すしかない。
ただ、本書では豊富な事例があるので具体策を考える時に助けてくれるだろう。
プロモーションを理論的に学べる本だった。