だいたい2012年末までの見通しがたったので、2012年2月以降何をしてきたかをまとめておく。
あまり仕事に関しては情報を出していなかったり、「最近何しているの?」みたいな声も頂いたりしていて、自分としてもある特別な時期の記録として残しておくほうが良いかと思ったので、まとめてみる。
fluxflex を辞めて2012年2月から取り組んできたことの優先順位は以下の通り。
- 今までの損失と生活レベルを元に戻す</p>
- 毎月の生活費がマイナスに入らないような基準まで給料を上げる
- なんだかんだいって、累積のマイナスが400万くらいになっているので、これを0まで持っていく
- 2回目の起業の準備
- アイデア出し、スタートアップの環境把握
- いきなりは始めないので準備までとする
- 1回目の経験から自分に足りないと思った経営視点や市場把握への見識や知識を学ぶ
- 2回目の本格開始までは時間があるだろうから、その時間を学習にあてる。今後のためにもなる
最優先事項はやはりお金面で、個人会社の ShakeSoul inc. の活動を復活させて、短期的に受託案件で売上をあげていく事にした。
100万/月を売上目標として7ヶ月間(2-8月)やれば、あとは条件を緩和して案件数を1つにして売上額を減らしても今年いっぱいで達成できるだろうと見積もった。
フルコミットの契約ならばMax120万/月くらいは見えてくるが、その他のことにアプローチする時間を確保したかったので、そこまで案件で埋めてしまうようなことはしなかった。
あと、受託の内容も単純なエンジニアの工数売りは最初のフェーズだけにして、その後は経験やノウハウを必要とされていることろに大きな視点からのアプローチが取れるようにしたかった。
実際は、2月から8月まで2案件同時並行で取り組んで、5日営業のうち1日は 2, 3 のアプローチするための時間とした。
幸い、紹介いただいた方のおかげや顧客にも恵まれ目標通り月次売上も達成できて、給料水準もあがって家庭への貢献もできた。なにより、こういう自分のやりたいことに対して、顧客が理解いただき一緒にミッションを取り組めたことは本当にありがたかった。
受託をしつつ空いている時間で2回目となるスタートアップのサービスアイデアの検証を行なってきた。提供形態はiPhoneアプリなのだけど、興味のありそうな人を見つけてデモしてフィードバックもらって修正してというサイクルを今まで4サイクルくらい回して、そろそろ収束しそうかというところまで来た。最近のリーンスタートアップの考え方や1回目の失敗経験を元に考えるに、「とにかくなるべく早く出す」というのは失敗確率がとても高いので、客観評価を小さい規模で得てサービスが使われる確証を感じながら、非パブリックで進めるのが良いと思っている。
そして、3つめのの学習については、スタートアップ関連の書籍となるべく最新のビジネス現状分析が行われている本を読んできた。
リーンスタートアップから始まって、その発想源となった本にさかのぼって行った。経営面はずっと読んでみたかった冨山和彦氏の本を最近のものも含めて読んだ。
- リーン・スタートアップ ―ムダのない起業プロセスでイノベーションを生みだす
- アントレプレナーの教科書
- イノベーションへの解 利益ある成長に向けて (Harvard business school press)
- プランB 破壊的イノベーションの戦略
- イノベーションのDNA 破壊的イノベータの5つのスキル (Harvard Business School Press)
- 会社は頭から腐る―あなたの会社のよりよい未来のために「再生の修羅場からの提言」
- 30代が覇権を握る! 日本経済 (PHPビジネス新書)
- 挫折力―一流になれる50の思考・行動術 (PHPビジネス新書)
- IGPI流 経営分析のリアル・ノウハウ (PHPビジネス新書)
レビューは今後書く予定だけど、今後チャレンジを本格的にスタートする際に大いいに役立ちそうだった。
現状の日本を含めた状況を考察するには冨山和彦氏の提言はとても論理的、刺激的かつ自分の思考に的確にはまった。
起業の際の市場や事業選択にはイノベーションの解が役に立つ。
今回、個人会社を復活させて稼いできたわけだけど、「世の中にたった一人で出てちゃんと食べていくけるのかどうか」という実験は会社を作った2009年に実証済みだった。目標が達成された今振り返ってみると、今回は充分食べていけることを認識したということになった。これはひとつの段階をクリアしたと思っている。
自分の市場価値を客観評価してもらい、食べていけるレベルの証明を得るというのは、実は社会人がスタートアップに挑戦する際にもとても大事なことだということを思っていたりする。ここらへんの今思うスタートアップの初期フェーズのアプローチ方法は詳しくは別エントリーでまとめたいが、「自分一人でも充分食べていける客観的市場価値を有している」という条件がないと、スタートアップ初期の売上がない状態を自分で打開できないので、成功確率が下がってとても難しいと最近では思っている。
ということで、お金面についてはOKとなったのだが、この受託してエンジニアリング・コンサルするモデルはMax売上120万/月、利益率50%くらいだし、それ以上の大きなビジネスというか事業にはならないモデルということも今回はっきりした。
これ以上の大きなビジネスにするには、多くのユーザにサービスを提供して売り上げていくという事業モデルになって、やっぱりそれはインターネットをフィールドとした爆発的な成長を目指すスタートアップになるよなぁというところに行き着く。fluxflexを始める際にもやっぱりそこに行き着くよなぁと思って始めたが、今回もやっぱりそこに行き着いた。
自分の次のステップとしては、「インターネットサービスを生み出し事業として成長させる」という課題にむかっていくことがはっきりしている。
今後は、自分のスキルセットを活用して経験やノウハウを必要としてくれている顧客に対して受託・コンサルを提供して食べていくための環境を保持しつつ、スタートアップへのアプローチの比重を少し上げて進めていければと思っている。