9/12 の Apple Keynote で iOS アプリ数が70万になったという話があった時に、瞬間的に「少ないな。」と思った。前回の6月の発表時には60万 apps だったので、3ヶ月で17%程度増加というのは急成長なのかもしれないが、利用ユーザに対してはまだまだ少ないと思った。
ちょっと簡単に計算してみる。
発表内容より今まで出荷した iOS 端末は約4億台。
買い替えがあるだろうから実際の利用ユーザ数は少なくなる。全ユーザが最低1回は買い替えをしたとして、一人2台持っている状態。新規ユーザと買い換えないユーザもいるだろうけど、少なめに見積もる。
- 4億台 / 2台・ユーザ = 2億ユーザ
- 2億ユーザ / 70万 apps = 0.35%
1 app 1開発者で提供しているとして、App開発者の割合は 0.35 % しかいない。# 実際は1開発者で複数 App 提供しているケースもあるからもっと数字は低くなるだろう。
この数字より、iPhone のシェアであるスマホ市場30%で起きている市場の縮図であるとすると、まだまだ開発者という職業の割合は社会全体に対して少ないと言える。社会全体の1%にも満たない。
だから、開発者をターゲットとしたサービスを提供する時は、それだけ市場規模が小さいことをよく理解しなくてはいけないと思う。結局、市場規模からプライシング、目標ユーザ数をはじき出すのだからその整合性がちゃんととれていないと間違いなく失敗するし、客観的合理性の証明が出来ない。つまり、資金調達も出来ない。
- 市場が小さい
- ユーザが少ない
- 売上を満たすためには1ユーザあたり売上金額をあげる必要がある
- プライシングが高めになる
というロジックが成立する。だから開発者のためのサービスというのは、単価が高くなる特徴を持たざるをえない。
現状、自分がイメージするサービスの特徴と目標ユーザ数は以下のように思っている。
- マス向け : フリーミアム : グローバルに1千万ユーザ以上</p>
- フリーミアムでも実際には 300円/ ユーザ 以上の売上があるはず
- パーソナル向け : 月額 数百円 or 売り切り 数千円 : 100万ユーザ以上
- エンタープライズ/開発者向け : 月額 数万円 or 売り切り 数十万円 : 3万ユーザ以上
- マス向けの300分の1のユーザ数をベースに出来るので
ビジネスアイデアを型にする時に悩ましいのが、そのサービスの KPI を何に定めてどれくらいの目標値にするのか、それを実現するプライシングを決める、部分だと思う。
最近トレンドであるリーンスタートアップの考え方は、市場の発掘とサービス定義についての手法なので、経済的にビジネスとしてOKと判断できる指標の決め方についてはあまり確立されていない感があり、一つの考え方として提案できればと思う。