今回のシリコンバレー滞在のもうひとつの目的はJTPAのセミナーに参加することだった。2009年のJTPAカンファレンスには参加したものの、日常的なJTPAのイベント参加者と交流できていた訳でもなく、どんな人達がいるのか知りたかった。あとはシリコンバレーでの日本人コミュニティはSVJENとJTPAくらいでとても少なく、ネットワーキングしやすい日本人コミュニティに早めにリーチしておきたかったという思惑もある。SVJENは6月のネットワーキングパーティーに参加していた。
当日の様子はJTPAでも紹介されていて、Ustreamでも見ることが可能。
fluxflexで一緒にやっている id:keikubo も話して、fluxflexのサービス概要を紹介した。参加者の反応も気になったところ。これはなかなか反響が大きくサービスの方向性は間違っていないことがこの場でも分かった。今後日本でもサービスの紹介は進めていくので、色々な反応が聞ければと思う。
20代の彼らの話や質疑応答を通して感じたことは、「自分で決めて、自分で実現させる」というシンプルなことをやり通してきているし、その成功体験が彼らの自信になっているので生き生きしているように見えた。海外の大学に入るために自分で教授にアポを取ってアメリカを回ったり、スタンフォードに入るために教授の推薦を工面したり。自分で考えて行動してきてスタンフォードに入ってきている。
自分自身でリスクを取ってアプローチして手に入れる。実はこの経験ってやれているようでやれていないことだと思っている。自分が考える or 実行する前に誰かがやってくれる環境に囲まれやすいとも思う。本当に自分一人でどうするか考える、やることを決める、実行する。他の誰でもない自分自身で行うから実現したときの快感に似た喜びはすごく大きい。彼らはすでにその経験をあの若さで経験している。今後、何を創りだしていくかすごく楽しみに思えた。自分ももう少し早い段階でこんな経験をしていれば、、とも思うがそれは仕方が無いし現在大きなリスクを取ってスタートアップしているので、これはこれでよし。ただ、彼らの残された時間の多さが羨ましく感じる。ほんとうに羨ましい。
シリコンバレーにいる日本人で意外と多いのが日本人企業の駐在員。逆に現在スタートアップをしている日本人は数名程度だろう。企業に依存しながらシリコンバレーの地にいる人達には自らの意志で立っている彼らの姿はどう写ったのだろう。自分自身のリスクを取る振る舞いをし始められたら良いなぁと思った。
前向きなエネルギーをたくさんもらった。良い場だった。
以下は当日のメモ。
石綿整
- スタンフォード PhD Electrical Engineering
- 小学4年生 マリオ 物理興味持った
- 0/1の半導体を作った場所がシリコンバレーだった
- スタンフォードの教授がファウンダーになってる アイデアがあればすぐ会社作る
- 半導体の素材としてダイヤモンド注目 固体の中で一番熱が伝わりやすい、一番固い
- 電子源として使える Diamondoid
- 人工ダイヤモンドが作れれば安くすむよ
- スタンフォードは物理をサイエンスとして捉えるのが上手
- 夢は日本の教育と起業のギャップを埋めたい
郡司まりか
- 色々住む場所を点々としてきた
- Stanford University, Materials Science and Engineering Ph.D.課程所属
-
物理学の半導体材料を研究している
- ナノテクという分野らしい
- ナノサイエンス 基礎研究、ナノテクノロジー 応用研究
-
ムーアの法則
- 60年以上の研究
- 短期的 微細加工プロセス、オフ時の消費電力の問題
- 長期的 新しい材料、構造で高集積化、高性能化
- ナノワイヤが面白い構造 縦に構造させる
- 赤血球が電気を取れるか 将来性のある分野
宮崎勇典
- 東大後、Stanford University, Chemical and Systems Biology Ph.D.課程所属
- 小学校までシンガポールとハワイ、最初は帰国子女
- タンパク質の研究している
- 60兆個ある、タミフルの薬のターゲットもタンパク質
- 酵素がないのがお酒が弱い
- 光るタンパク質を発見した いろんな色を出せる ノーベル賞
- タンパク質を制御する 形を変える
- 海外大学留学説明会に日本に行った 1月にも行く
クボケー
- 個人、中小企業、スタートアップがターゲット
- 無料からはじめられる
- fluxflexがあらかじめ設定しておく
- できるだけユーザがサーバのこと考えなくていい
- 4つのサイクル
- 開発はテスト自動的にWebサービス用のDropboxみたいな感じ
- 運営はメイン
- ノウハウのいるサーバ構造が構築されていて、気にしなくて良い
- テストユーザいれているよ
船木信宏
- 2009年9月会社作った SmashBooth, Inc.
- Co-founder 田畑さん
- 「寄付」crowdfundingという単語があるらしい
- 寄付ほしい人と、払いたい人をマッチングさせる
- たくさんの人から小額をもらう
- 今いろいろやっている モバイルでできるように
- 余ったマイレージを使えないか画策中
- Senzoo.com
近藤誠
- Evernote
- 最近の100万人 83日で達成
- 日本人ダントツで第2位 18%
- スタッフ40名
QA
-
1. 今の研究分野、事業領域にしたか?</p>
- アメリカに来たかった、スタンフォードは共同事業が多いから、人は手にしたものには、誰も提供していないインフラのサービスだから
-
2. 苦労は?
- こっちに来て奨学金を得る苦労があった。やりがいがある。スタンフォードの中でもダイヤモンドを使っているのは自分だけだった
- 楽しくやりがいを持って4年きた。意味のないミーティングはない
- あまり感じない。自分がやりたいことをやってきた。動いていたら誰かが助けてくれた。
- ビザに苦労した
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3. チームづくりの苦労?
- インフラのスキルとソフトウエアの勘所が分かる人 経験がある人が必要だった
- 質問攻めにして、プロトタイプを見せたりして意気投合した
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4. 日本に戻ったら何をしたい、何を変えたい
- すごく後だけど教育に関わりたい
- ロールモデルになれれば
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5. 問題、課題が一番難しい、かつ解決できたこと 成功体験
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スタンフォードに来るために1回のプレゼンで、国際学会で論文出してかなった</p>
- でも楽しかった、日本にいたらできなかった。自分で決めてやって仕留めた快感
- 成果を出して楽しんだ
- 大学の情報を得て、アメリカ1週間で教授に会った、実際かなった
- 学費が大きかった、工面できて卒業できたこと
- ビザ
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スタンフォードに来るために1回のプレゼンで、国際学会で論文出してかなった</p>
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6. アメリカ来てみて思ったこと
- ディスカッションする相手があまりいない日本、アメリカはみんなでディスカッションする
- 感覚的に思っていたことが実現した
- 上下関係がある、ちゃんとした英語を使わないと目上の人に対して
- バイオロジーは東大のほうが設備が良い
- 思ったよりもアメリカは安全
- 人物金が揃っていると思っていたけど、ネットワークに入っていく厳しさ
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7. 日本人に対してどう思いますか
- 行動力がない、やりたいことを主張して行動する人が少ない
- 安定志向に走らないでほしい、リスクが高い事はしない
- 自分の人生に責任をもってほしい、どうなっても自分が生きていくと思う、ハッピーに生きて行くこと
- 日本人ですごい人多いのに、シリコンバレーのスタートアップファウンダーが少なくて、待ってます