gumiの国光さんにfluxflexを紹介しに行ったのだけど、後半に話したことが以前考えたことと重なって再考してみたので、書いてみる。
ソーシャルアプリはいろいろな種類のアプリケーションが提供されているが、やはりゲームが最も利用されていそうだし実質、「ソーシャルアプリ=カジュアルゲーム」になりつつあるんだろう。
特徴としては、
- すぐ始められる
-
題材が誰もが知っている一般的なもの
- ペット、車、街、農場など
- ミッションが単純
というところだろうか。なぜそういう傾向になるのかと思うと、基本的に無料のフリーミアムのモデルだからだろう。
- 基本フリーにする
- できるだけ多くのユーザを集める
- そのうち数%のユーザが課金対象となって払う
- サービスとしては売上があがり成り立つ
という流れでビジネスとして成り立つ。たくさんのユーザを集める必要が前提としてあるからカジュアルになりたがる。
この発想でビジネスとして成り立ってるタイトルもあるが、オリジナリティは低く誰もが作れるレベルになり差別化しにくくなる。実際、サンシャイン牧場とZyngaのFarmVilleの違いはほとんど無いだろう。
そこで考えたいのが「ゲーム性」という視点。ゲーム性が高いというのは、
-
前提とする背景やストーリーが複雑</p>
- 途中で変わったりもする
- ミッションが複雑で複数あったりする
- 難しさがある
-
レアなケースがあって、その度合が深い
- レアなものを得るにはすごい困難さがある
- すべてをクリアするには相当な時間と努力が必要
あたりとすると、ソーシャルアプリの流行っているものはゲーム性は低いと言える。
ゲーム性は「お金を払う価値があるかどうか」「ユーザがゲームの世界観にはまってくれるかどうか」が目的で、これはコンソールゲームやオンラインゲームでユーザがお金を払うことを前提としたビジネスで求められている。
ここにはネットが普及する前から長いゲームの歴史があって、ゲーム会社はゲーム性の高いものを求めて企画を練りタイトルを世に出してきた。ゲーム会社がソーシャルアプリに入ってこないのは開発プラットフォームの違いもあるだろうけど、そんなカジュアルなものなんて作っていられない。と思っている面が強いからではと思う。
それでは、本当にソーシャルアプリはカジュアルでないといけないのか。と考えるとそれはNOだと思う。たくさんのアプリケーションの中でカジュアルゲームにユーザを集めるのはゲーム性に差がないとすると、その会社の資金力がものをいってくる。資金力の大きな相手に対向するには、ゲームそのもので純粋に勝負するしかなくなってくる。今のソーシャルアプリはプレイヤーがそろっていない状態なので、先行逃げきり型でカジュアルゲームをヒットさせて売り抜けたウノウの例もあるけれども、今後はゲームそのものの面白さでユーザに判断されるフェーズに入るのだろうと思う。
これは健全な状態だし、すでにiPhoneアプリは良質なアプリが上位に入る健全な状態になっていると思う。
そんな発想でゲーム作りのノウハウがあるゲーム会社が、ゲーム性の高いものをソーシャルアプリとして本気で入ってくると今のプレイヤーの相関図も結構変わってきて面白い状態になるのかなぁ、そうなったほうがユーザにとっても楽しいのかなぁと思っている。フリーミアムにする必要はなく、一部の熱狂的なユーザを作り出せれば収益としては十分なので、ゲーム性とオリジナリティの高いものを求めて良い。
コンソールゲーム市場が減少傾向に入った今、ゲーム会社はゲーム性の高いものをソーシャルアプリに出してほしいなと個人的には思う。ゲーム会社のノウハウはそれだけ深く、Webサービスとは異なる体制が取れているので、もっと色々なプラットフォームの中で存在感を発揮できるのではと思っている。
こんなことを考えた根っこには、単純にもっと面白いゲームはソーシャルアプリにないのかなと思ったことと、それを変えていけるのはすでにノウハウと実績を積んできたゲーム会社だけなんじゃないかと思ったことがきっかけで、あまり他に書いている人がいないので言ってみた。