なんとなくタイトルに惹かれて、捨てられそうになっていたこの本をもらって読んでみた。
「分かりやすい表現」の技術―意図を正しく伝えるための16のルール (ブルーバックス)
- 作者: 藤沢晃治
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1999/03/19
- メディア: 新書
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豊富な「分かりにくい」例を示しつつ、分かりやすい表現をするための16個のルールを提示している。ページ数は少なく分かりやすく端的に述べられている。
新鮮だったのが、「分かる」ということを科学的に説明している部分だった。
いくつかの言い方をしているので、転記しておく。
「分かっている状態」と「分かっていない状態」の違いは、情報が脳内の整理棚にしまわれているか否かの違いです。
「分かる」とは、新しい情報の構造に関して、自分がすでに知っている情報の構造と照らし合わせ、それと一致するものを認識することです。
「分かった」と思うのは、抽象化によって一つの共通グループを形成したり、またはすでに形成済みのグループに新しい事柄を所属させる、つまり整理棚の一区画にしまい終え、安心できた時です。そのとき「分かった」「納得した」と感じるのです。
あまり自分で「分かる」ということを自覚したことがなかったので、良い発見だった。
分かりやすさを強く意識するのが、スライドを使ってプレゼンテーションをする時かと思う。16個のルールに照らせば、スライドの組み立て方に具体的に参考に出来そうだ。でも、スティーブ・ジョブズの数字しか書いていないスライドを見せるような、見る側の想像力をかきたてるようなテクニックにとはまた別で、純粋に分かりやすく説明するための心得として書いている。
今後、ドキュメントづくりや相手に話す時にでも活用できるとよさそうだ。
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