シリコンバレーで色々見てきたり話を聞いたりして自分なりに分かったことをまとめる。正確ではないかもしれないが自分なりのまとめ。
シリコンバレーで働こうとした時の形態についてまとめておく。あくまで先端的なフィールドのエンジニアとして日本からシリコンバレーに行った場合の形態ということなので、現地大学を出て、みたいな想定はしていない。
大体いかに示す3パターンくらいかと思う。この中間とかその他の存在はシリコンバレーでは中途半端に見られて相手にされないというか、既に淘汰されてしまっている経験がこの地にはあると思う。
1.大企業
いわゆる有名どころ。Google, Yahoo, Adobeなど既に上場をして有名になっていて社員を多く抱えているところ。
現地のエージェント経由で試験を受けるのがスタンダードだと思うが、日本から行く場合は人づてに近いレベルでたまたまポストが空いたから受けてみた、というケースもある。
今は採用がシステマチックになっているので日本から直接行くケースがどれくらいあるか不明。日本法人からアプローチするとしての時間と手間がかかるので、現地の案件を探した方が良さそう。
入社すれば安定して働きやすい環境が用意された中で過ごすことができる。ストックオプションもいくらかもらえるらしい。ただし公使期間は4年で結構長い。
2.ベンチャー
ベンチャーに途中から社員として採用試験を受けてみる際には 1.大企業 と変わりないが、VCから資金を調達する前の時期は人づてで集めるので、人脈力を生かして創業者に近いポジションで入る可能性もあるかと思う。前提として現地の人との人脈が構築できていることが必要。
もう一つの選択肢として、ベンチャーを自分で立ち上げるなら誰にでも開かれた可能性かと思われる。アイデアが良くて VC がついてくれればそこからベンチャーとして exit に向けたゲームをスタートできる。
どちらにせよベンチャーに入る訳だから、変化に順応することとスピードが必要だし、最も失敗するリスクの多いパターンの中で働くことになる。
ただ、シリコンバレーの人が循環する仕組みの中に入れれば、次に生まれてくるベンチャーに入ることもできるし、日本と違い失敗しても汚点と思われずに経験を積んでいると思われるので、失敗したことによるデメリットはないと思った方がいい。
3.ライフカンパニー
自分で自分の会社を自己資金で作るので障害になることは少ない。ただ、企業形態として売り上げが爆発的に伸びて莫大な富を得ることはあきらめる必要がある。
働くフィールドに最も立ちやすいがその後にビジネスが展開できて、生活していけるかはまた別問題。
資金的にも自腹を切ることになるし、自分を中心とした人脈が作られていなければ売り上げを得ていくことが難しい。売り上げがなければ自己資金を切り崩して生活する必要があるので、自分の生活に最も影響が出やすい形態と言える。
これはシリコンバレーであろうが日本であろうがライフカンパニーであれば同じ。
番外編 : 大企業とベンチャーのエンジニアの給料
大企業とベンチャーにおけるエンジニアの給料は変わらない。駆け出し 800万、ちょっといって 1000万、シニア 1200-1500万という具合らしい。
違いとしては大企業は安定性、福利厚生の手厚さがあるが、ベンチャーはいつつぶれるか分からないので、不安定だがそのかわりストックオプションを付与する。そうすることで exit できた時の gain が期待できる。シニア級にあがるほど株数を多くするらしい。
基本的にはシリコンバレーのエンジニア採用は新卒とかの考え方がなく実力主義、実績主義。今までどこでどのくらいのことをやってきたかが基準なので、それがアピールできる必要がある。最近では Linkedin からコンタクト受ける方法もあるけど、現地のエージェントがコンタクトしているケースもあるので、どれくらい実践的に活用できるのか不明。
番外編 : シリコンバレーでは SIer はいない
いわゆる日本で古くからある Enterprise SI (NEC, Hitachi, IBM, CTC, 受託だけをしている会社 等々)はここに該当しない。
シリコンバレーはハイテク産業の生成地で、現状で言えばwebを中心としたインターネットサービスであり、先行投資的なのはバイオになる。だから今まである Enterprise SI の産業をわざわざシリコンバレーでやる意味はない。という方が正確かと思う。そもそも日本のような政治色の強い SI の手法はアメリカでは通用しないと思うが。
そういう意味では、日本で言う IT に古くから関わっている人のかなりの部分がシリコンバレーで働く形態にマッチしなくなっていることもはっきり認識しておいた方がいいポイントだと思う。