この本の筆者のブログは結構前からチェックしていて、web系の特徴のあるベンチャーをインタビューしてポッドキャストで配信したりと、面白いことやってるなぁという感じでブログもチェックを続けていた。初めて興味深くこの筆者の本を読むことになる。
次世代マーケティングプラットフォーム 広告とマスメディアの地位を奪うもの
- 作者: 湯川鶴章
- 出版社/メーカー: ソフトバンククリエイティブ
- 発売日: 2008/09/27
- メディア: 単行本
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広告やマーケッティングが今後どうなっていくのか、が主題ではあるが新しい方向にはインターネットがある訳で、最近の新しいエッセンスや海外のベンチャーのインタビューなどを紹介して最近なインターネットの要素もカバーしている。
が、ブログのほうが非常に面白く感じてしまうのはなぜだろう。すべてが可能性であり予測であり、確信的なものが最後までよく見えないこの曖昧さは何だろう。
構成内容は広告についてが1/3、ベンチャーへのインタビューが1/3、クラウドやSNS、ソーシャル広告などの最近なインターネット要素の紹介が1/3の割合。筆者のこの本で言いたいことは冒頭部分で明示されている。自分なりに記すると。
従来の製品で稼いでいた市場は技術革新によって新たな市場を急速に広げていく。やがて新しい領域は徐々に従来製品部分まで侵食していく。が、最終的に従来部分が消えることはない。
この新しい技術はソーシャル広告だろう。
この主張に対してはそれなりに理解できるし、そういうものなのだろうと思える。
残念だったのはこの内容が説得力を持って説明し切れず、論理的な文章の展開や裏づけのまとめが薄いもしくはまったくなく文章を進めていること。
せっかく先端的なベンチャーのいくつかにインタビューをしているのだから、全文を載せるだけでなく彼らがなぜこれをやっているのか、何を大事にサービスを作っているのかにフォーカスして共通項をまとめてみるだけでも論理的にまとめる裏づけが取れて大きな価値になると思うのだが。おそらくいろいろな現象や主張を裏付けるための考察する時間が足りない。それを表現できる文章力が足りない。
こうなってしまったのはおわりにに書いてあるように最初は「電通 vs Google」という構図で書こうと思っていたところから、もっと客観的なマーケット全体的な視野にたった結論を出すにいったっていることから、かなりの転換を図った。この転換するギャップが大きくてそれを裏付ける要素が不足したままアウトプットしてしまったのだろう。
という状況を理解したところで、不足していることには変わりない。今後インターネットがおよぼす可能性やインパクトが示されることを期待していたし、情報や材料はそろっていたのにやはり残念。自分には読み終わってただただ残念に思ってしまった本になってしまった。
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