アジャイルプラクティス 達人プログラマに学ぶ現場開発者の習慣


読み終えたのは去年のうちだったのにレビューがずれてしまった。

アジャイルプラクティス 達人プログラマに学ぶ現場開発者の習慣

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なんとなく知っていたアジャイル開発の具体的手法を知って、現場での振舞いに生かしたいと思っていたので読んだ。

インターネットサービスにからむサービスはいかに早く世の中に出せるかが生命線なことは分かっていたが、じゃあ無駄のない効率的な開発ってどんなことを気にすればいいのか、スピード感を持ったフローって実際どういうものなのか。がまったく見えていなかった。結局、考え方とか理論とかは抽象化して広く人々に理解しやすくしている言い方なので、実践の具体的手法は見えない。そこが具体的にイメージできるようになりたいと思った。

読んでみてまさにこれは実践書。現場で明日から生かせるティップスばかりで、しかも実際ティップスを実践してきている筆者が書いているので、やることがイメージしやすく書いてくれている。こんな気分バランスが大事の項目は理論では伝えきれない現場の感覚的なニュアンスを伝えるのに適している。

開発がぐちゃぐちゃしている方は是非読むことをお勧めします。

具体的ティップス一つ一つは紹介しきれないが、全体を通して自分の中で大きな発見だったのはウォーターフォール型とアジャイルは正反対で対立する手法と思っていたし、そのような捕らえ方をする人が多かったのだけどその捕らえ方はまったく間違っていたことが分かった。

アジャイルは

  • 顧客の要望どおりのシステムを収める
  • 変化してしまう顧客の要望に対応する
  • プロジェクトが頓挫しない

この単純なことを行うためにどうしたらよいかを考えた末の具体的開発手法であって、ウォーターフォール型との対比はそもそも意識などしていない。

エンタープライズSIの案件では上記3つが満たせないことはよく生じることで、結局プロジェクトがうまくいかずにゴタゴタが開発の効率化を妨げ、余計な調整のような時間に付き合わなくてはいけない。個人的にはこの余計な部分が非常に無駄だしやりたくないので、何とか減らしたいと思っていた。そういう意味でも今のインターネットのスピードにウォーターフォール型の開発手法はとっくに対応できてないことは重々分かっていたし、もうやるべきでないと思っている。

筆者のようにアジャイルを宣言した人たちは現場のこういった無駄をどうやったら減らしてハッピーな開発ができるかと考え出し実践した結果が本に詰まっているティップスだと思う。そう考えるとやはり、スピードが必要な状況で求められるべきは現場力、実践力、問題解決能力(理論的でなく具体的な手法として提示できる力)であって、論理への理解ではない。この本にも書いてあるがマネージャやリーダクラスの人間には技術的なスキルを求めている。やはり、マネージもできて技術もわかる人間がしかるべきポジションにつくべきだと改めて思うし、自分もそのレベルに早くなろうと思った。

こういう具体的ティップスを紹介している本が日本からももっと出るとビジネスにおける質が1段階変わってくるんだと思うんだよなぁ。

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