今は去年と打って変わって、SecondLife のイメージダウンがありメタバースはもうだめみたいな風潮がある。だた、これは今まで電通と博報堂がお金かけて SecondLife キャンペーンを打ってきたのが終わって、そのしっぺ返しがきただけでイメージの話でしかないので、正確に事態を表してないと思う。
今、メタバースサービスを運用している立場から言ってもう少しまじめに考えたいと思う。メタバースがwebの次に来るかどうかはまだよく分からないが、成熟しているwebとまだ未熟なメタバースを比較しつつメタバースの可能性をもう少し考えたい。
まず、webとメタバースは基本的特徴が全く違う。
- webは非リアルタイム
- メタバースはリアルタイム
非リアルタイムは頻度を上げればリアルタイムに近づくが、リアルタイムは非リアルタイムに近づけない。例えばブログのコメントも気付いてから書くまでが早ければ会話しているような感じになるが、その逆はない。
メタバースは基本的にログインしてその場で何が起きているかに注力されているサービスが多い。webは後から気付いたり自由なタイミングでみれたりする。そういう意味ではwebに比べればメタバースは時間的幅が非常に狭いので、生み出されるシーン(機会)が少ない状況はもともとある。ログインしたけど誰もいなかったと言うのは典型で、その瞬間にその場に誰かがいる必要がある。5分前に同じ場所周辺に誰かがいたとしてもシーンは生まれない。
サービスを測る基本的指針としては、webはページビューでメタバースはユニークログイン数になるだろう。なぜこれが指針にあるかというと、サービスに触れる機会が増えれば広告価値として高まる面を持っているから。
メタバースはもともと生み出すシーンが少ない性質なので、非リアルタイム的な機能を持たせていかないと価値が高まらないだろう。
オフラインでもフレンド申請ができる。フレンドにいつでもプレゼントが送られる。自分が作ったアイテムを今まで見てくれた人がこれだけいた。参加できなかったイベントの様子が後から見れる。など、非リアルタイムな機能をもっと充実させていくことが必要。ただ、これは難しいことではなくて最近webが当たり前のように有している機能や視点を真似すればいい。
そうすればメタバースがwebをもカバーして、ブラウザに変わりうるユーザインターフェイスになるかもしれない。
あとwebにはないメタバースの最大の特徴は生のコミュニケーションに近い臨場感を味わえることだと思う。
テキストチャットでは生み出しにくい臨場感。この点は今までにない新しい価値が出る部分で、会議のようなシーンを考えてみてもテレビ会議のようにリアルな姿が平面で見えているよりも、お互いのアバターが全身見える状態で身振り手振りを交えてテキストチャットするほうが会議に参加している感は出ると思う。
これはリアルタイムの特徴をうまく生かしつつ、コミュニケーションを重視するようなサービスの肝になるのでは。と思っている。
今まで SecondLife の創設者フィリップ・ローズデール会長や3DiのCTOの話とか聞いてきたけど、ちゃんとwebと機能的な特徴の視点で話していることがなくって捕らえ方が足りない気がしていたんだなぁ。
ご意見ある方、是非コメントください!