この本をレビューするのに半年かかってしまった。。。
http://d.hatena.ne.jp/d_sea/20060731 にはその時考えたことをまとめたけど、半年経った今、漠然としていたことが浸透してきて確信になっている。その展開のスピードは非常に早い。
読み終えたのは半年くらい前だけど、そのインパクトの強さに気軽にまとめきれなかった事情がある。この本がなければ2006年以降、自分のインターネットへのスタンスの変化がなかったし、転職先を選ぶ基準にも大きく影響した。という意味では自分の人生にかなりのインパクトを与えることになった1冊。
- 作者: 梅田望夫
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2006/02/07
- メディア: 新書
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いわゆる Web2.0 系なサービス達がもたらす社会的インパクトの大きさが良く理解できる。少しまとめると、
- 考え方
- ロングテール
- チリも積もれば山となる
- オープンソース
- 情報共有し、良いもの向かってみんなで作る。タダ。
- 総表現社会
- 個レベルで情報発信し、誰もが見れる
-
実際の事象/サービス/技術</p>
- Google アドセンス
- Google map の API公開
- Amazon API公開
- Blog
- RSS
- Ajax
- Wiki
- ASP
自分なりの解釈をすると、個々人がインターネットに対して発信/閲覧する環境が整えられていて、ネットワークとリンクによって自由にその情報が流動することが出来る。また、個々人に対して最大限のインパクト(ある意味大手企業をしのぐパフォーマンス)を与えることの出来るサービスが無料で提供されている環境。を言うのかなと思っている。
ビジネスにおいて今までとの比較をすると、システムとかサービスというのは基本的にその企業にあったソフトを作り込むことで高額な売上を上げて生きてきた訳で、それは汎用性の薄いブラックボックス化されたものだったので、流通することはなかった。ニュースといえばマスコミから得ることが普通だったし、インターネットもビジネスの視点で売上を上げるために生まれたサービスが主だった。
それが一気に変わってくる可能性を秘めているし、すでにその兆候は見て取れる。オープンソース/API公開によってシステムを自由に利用することが可能で、それらを組み合わせれば安価で機能的には遜色のないシステムが出来てしまう。という点でシステムベンダの売上規模が激減する可能性を秘めている。マスコミとは独立した個の情報発信によって、ニュースを様々な視点から捕らえることが出来るし、むしろマスコミから提供される情報量は非常に少なく、断片的だということも分かってきてしまった。これは大企業の既存のビジネスをひっくり返す可能性を秘めているし、企業もビジネスモデルやスタンスを大きく変えていく必要がある。
ただ、これは本来インターネットが持っている、”空間を越えて誰とでもつながれる” という特性がやっと開花してきたという印象。今まではビジネスの視点が大きく出てきていたし、技術もそれを実現するためにはまだ浅かった。
2006年2月初版だったので、この時に出会っていたら2回目の転職は違った方向の会社になってただろう。ただ、その時これから行こうとしている会社とは出会ってなかったかもしれないので、人生は振り返ってみて初めてつながってきたりする。
最初にインターネットに出会った時のなんとなく感じていた、尽きることのない大きな可能性というのはこういうことだったのかぁ。と時代に教えてもらったということか。今はインターネットを仕事にする立場でそれに賭けてみようと思った。それはすごく面白いことだと思った。
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