回復力 – 畑村洋太郎


失敗学のすすめを読んで じゃあ失敗した時に素早く次のチャレンジに向かうにはどうしたらいいのだろう。と思っていたらそのものずばりな本を畑村さんが書かれていたので買った。Kindle版も出ていたのでこちらにした。

回復力 失敗からの復活 (講談社現代新書)

失敗学のすすめ が失敗を悪ととらえず「失敗は成功の母」のように肯定的に捉えるための学問だとすれば、この 回復力 は失敗からの回復の仕方や考え方を述べている。

大きな失敗を実際経験した際に参考になる、良き実践書になるのではないかと思った。

この本でも失敗から回復することへの捉え方を定義して、従来の常識的な「敏速に、誠実に謝るが当たり前」のような風潮とは異なる視点で指摘している。

どうしても真面目や誠実さを貫いてしまうと、何よりも優先すべきことと思ってしまって自分の精神状態を無視して無理に対応して自分の生命を失ってしまうことが実際ある。
不祥事を起こした会社の社長が自殺したりすることは今でも起きているが、実はその事象から何も学び取れていなかった/学び取ろうとしなかったし、「誠実な対応」を求める社会的風潮の強さは日本文化の特徴でもあり続けている。

この本では 「何よりも自分の命が大事」 と言い切っている。

エネルギーがない時に頑張ろうとするのは、勝つ見込みの薄いギャンブルに身をあずけるようなものです。

そのためにはエネルギーが回復するまで逃げてもいいと。

元来日本人は真面目すぎるのかもしれない。いや、実際真面目すぎているから創造性が求められる時代に対応できないでいるのだろう。
これは根深い。義務教育では「先生に言われた通りのやり方で効率的に正解を出すことが正」となっているし、「良い子 = 聞き分けのいい子」の判断基準はいまだに強い。
社会全体が失敗を許容して、当事者が失敗に向きあおうとするエネルギーを作り出すことを見守れるようにならないといけない。現状を見る限り道は険しそうだけれども、不確実な時代においてはこういった捉え方ができないと、チャレンジが必要な時代に誰もチャレンジしなくなるという状態になる。

自分の特徴として、結構まじめに捉えすぎてしまうところがあって、小中学校はまさに「良い子ちゃん」だったし、社会に出てからだいぶ変えてきたと思うが、まだまだ「こうあるべき」みたいなものを求めてしまう傾向が強い。
もっと気楽に自分を身を第一に、その時できることをたんたんとやることだなと思えた。

そう思うと、回復の仕方のコツも手に入れた気になって、もし失敗しても大丈夫と思えるようになってきた。失敗を恐れずチャレンジするエネルギーがふつふつと湧いてきた。

単に背中を押してくれるのではなく、チャレンジするための道具を見せてくれるような本だった。