Book ジーン・ワルツ


最近は嫁におすすめの小説を聞いて読むようにしている。紹介されて読んだ4冊目の小説がこれ。

産婦人科医と大学講師として勤務する女性医師を主人公にした、出産にまつわる様々な出来事のドラマ。

各人の色々な出産事情。妊娠、不妊治療、人工授精、そして代理母。出産にまつわる様々な事柄が起きてゆく。

会話の描写も面白い。頭の良い者同士の会話の駆け引き。権力のある者のあしらい。高度なやりとりを冷静に描写していく。

また、医療現場で起きている悲劇の描写が復習のように何度も出てくる。地方の病院や医療施設が次々と潰れていっていること。地方での出産は必要な医療技術の提供が受けられない現状があり、その原因が官僚がもたらした医療制度改革であるというもの。

医療現場にたずさわった筆者だけあって、詳しい。そして、主張したいことを登場人物に乗せてまっすぐ伝える。 小説を通じて世の中に提示する。小説が一つのメディアになっている。そういう方法もあるのかと新鮮な発見だった。

読み終わって思ったことは、女性はいかにクールに論理的に振る舞えるスキルを有していても、”子どもを産みたい” この一言に勝るものはなかったということだった。

産むことのない男には理解できない心境と計り知れない意志の強さ。

子どもができる。そして無事に生まれることがどれほど低い確率なのかを知る。 妻に娘を産んでくれてありがとう。と言った。