Movie だれも知らない建築のはなし


The Lifestyle MUSEUM という Tokyo FM がやっているラジオ番組のポッドキャストを聞いているのだけど、監督の石山友美さんがゲストでこの映画を紹介されていて面白そうと思って観に行った。

「建築家」という職業が起業やエンジニアと何か共通しているものを感じたから。あと、世界的に評価されている日本人(逆に日本国内では建築家のリスペクトが低く評価されていない)とはどんなことを考えているのか興味があった。

小さい映画館に行くのは何年ぶりだろう。渋谷のシアター・イメージフォーラムのこじんまりとしたシアタールームと同じような、着色の少ない当事者の声と作品だけで構成される純粋なドキュメンタリーだった。

1970年代から現代に至るまで、時代の移り変わり何を思ってきたかを各人が明確に回想していく。 日本人の有名建築家は若くして世界の建築家に触れたことが彼らのベース(基準)を作っている。

映画を見た感想は、建築家という人たちは時代の流れの中で自ら問い続け作品を作り続けている職業なのだということがわかった。

建築家は呼ばれて仕事をする立場。バブルの頃はお金があり大きなプロジェクトが取り組める。一方バブルがはじけてプロジェクトが現在もその状況は変わらない。 特徴的な建築物は全て1970年、1980年代のバブル崩壊前までのものであることが分かる。逆に最近の高層ビルのデザインが画一的で特徴をなくしている理由は、建築家が呼ばれていないもしくは主張していない結果であることも分かる。

社会性、時代性をどう反映するか。今何を表現したいのか。常に問い続けもがき続けているようだった。特に1990年代以降のバブル崩壊後、そして東日本大震災後、果たして建築家の役割とは何なのか?が問われている。

主張するべきかしないべきか。現代の建築家の存在意義はなんだろう。結論はない。今も考え続けている。

ただ現代の建築物に対して、強烈に残っている言葉は、

「深度がない」

「表面のインパクトがあるだけ。それがどうした。」

「歴史にに挑戦できるのか。」

だった。

世の中に何を残したいのか?社会に何を与えたいのか?何を成し遂げたいのか?

この問いかけは建築家だけの話ではなく、自分個人にも突きつけられた。

今自分の会社をやり、自由に表現する立場ではあるが、もともとスタートアップをすることが目的ではなかった。 「社会に貢献するサービスを作りたい」 それを実現するための方法としてスタートアップというスタイルをとっている。

世の中を豊かにしたい。世の中を平和にしたい。世の中に大きなインパクトを残したい。そのために何をするか?どうやっていつまでに実現するか?何が必要?誰が必要?

今まで考えてきたことに対して、もっと考えろと言われているような気がした。

「深度」というのがこれからの自分にとって大きなテーマになった。