30代が覇権を握る!日本経済


著者の冨山和彦さんは数年前から気になっていた方で、新聞のインタビューや雑誌のコラムを読んだ時に、現状認識と指摘が的確なことと解決の方向性が自分の考え方と似ているような気がしていた。
なにより、産業再生機構COOという立場で素晴らしい実績をあげた人の思考を知りたいと思った。

産業再生機構は税金を使える企業再生を目的にした特殊な国の機関(と言っても、メンバは民間のプロで構成されていた)で、国民負担を発生させず740億円を納税し、予定より1年早く目的を達成して解散した。税金を使った策としては本当にまれに見る成功例と認識している。
冨山氏は最近のJALの再生・再上場にも自ら作った会社 経営共創基盤として関わっている。

実績が示す通り、まさしく企業再生のプロ、本物だと思っている。

30代が覇権を握る! 日本経済 (PHPビジネス新書)

この本は現在の日本が直面する社会問題に対する指摘、原因分析、その解決方法を示している。
なぜ30代かというと、問題の原因には団塊世代以上が得をする既得権構造があり、搾取される側の30代以下の世代がその構造を破壊することを勧めているから。

日本社会の問題として著者が対象にしているのが、公的年金、医療保険、労働環境で、これを世代間ギャップが生じないよう大胆に改革するということを提示している。文章としては余計な解説や揶揄をいれずに直球でどんどん投げかけてくるという感じ。

提示されている策は大胆に思えるが、それだけ問題の根は深く、時間をかけるだけの猶予はない状況ということなのだろう。

元々考えが近いかもしれないが、いちいちうなずき納得する。大いに賛成だ。ネガティブなニュースによって何となく暗い感じだった現状認識から、問題点が体系立てて理解できたような気がする。

労働環境の部分では、高度経済成長時に確立してきた古き良き日本的労働環境は現代にマッチしなくなってきていて、変える必要があることも実感として分かる。

自分自身としては日本の社会問題の既得権構造を壊す提案をするところに投票したいと思う。

12.16選挙前にこの本を読む価値はあると思っている。
自分自身が「ふわっとした」感じで選び損ねているなら、この本を一読することをお薦めする。