有料Chefトレーニングをやったまとめ


https://flic.kr/p/o9MtPp

昨年2015年10月から12月にかけて シェイクソウルChef テクニカルトレーニングを行いました。

Connpass でパブリックに募集しました。Connpassグループにまとまっている実施済みイベントには当日スライドも添付しています。

Chef テクニカルトレーニング : http://chef-training.connpass.com/

この取り組みは会社としての新しい事業でもあるし、ある想定が成り立つかの実験を兼ねていました。 予定していたカリキュラムが終わり、結果が出たのでまとめたいと思います。

想定したこと

価格は高くても参加があるだろう

料金は高めにしました。PC持ち込みで2.4万円/回、PCレンタルで3万円/回です。

Connpass に作成されるイベントはほとんど無料もしくは2000円以下です。 その中でこの金額は高過ぎると思われるだろうし、異質に見られたでしょう。

金額を高くする理由は以下、

  1. 会社の売上規模に見合うため
  2. 個人ではなく会社で使う人をターゲットにしたため

事業性

会社の研修として実施させていただく時は1回24万円から36万円で実施しています。

http://www.shakesoul.net/tech-lecture

同じ規模の売上を得るには、今回の定員は10名ちょっとなので、1人2万円以上となります。

カジュアルなビジネスセミナーなどの値付けは3000円/人で10名、計3万円の売上が多いですが、それでは準備も含めた稼働に対して合わなくなり、実施する意味がなくなります。 ボランティアではないので、自分の求めるレベルを下げずに価格を設定しました。もちろん、提供する内容がそれだけの価値を提供できる自信があった上の判断です。

たとえ1人しか参加がなくてもこの金額ならば納得できます。逆に10名集めなければ成り立たないのは赤字のリスクが高すぎます。

ターゲット

料金が個人では払えないレンジなので、必然的に会社の研修費などとして出していただくことになるかと思います。 また、カリキュラム内容も単に “動いたから満足” ではなく、ビジネスレベルで使えるための実践 を学べることを目指していたので、ターゲットは 会社として参加する 人たちになります。

これで金額とターゲットの整合性が取れます。

Chef のニーズは高いだろう

Chef はサーバインフラのセットアップをソフトウエアで自動化するツールなので、そのメリットはとても大きいはず。

今まで人間が数時間、はまってしまった時はまる1日費やしていたことが、数分で終わる。もちろん事前にコードを書いてテストする必要はあるけども、人間とソフトウエアの作業スピードと品質の差は圧倒的にあります。

そのメリットを会社の人的リソースの効率化に結び付けたい、もっと楽して他の仕事に時間を費やしたい人は多いはず。 そんな課題を持っている会社が Chef に注目し期待しているだろうと思っていました。それだけ課題を持っている会社があるだろうという想定でした。

Chefの有料トレーニングの参加者募集は現状国内で実施してるところは自分ところのみであったため、Chef のニーズが高ければ見つけてくれるだろうという想定しました。

結果

全4回すべてに参加者がありました。

人数は1名。

1名でも金額的には納得できる範囲なのでOKです。

参加いただいた方の会社はWebサービスの開発運営を受託しているようで、それほど会社規模は大きくなさそうです。 大手顧客のサービスを手がけているので、要望も厳しそうなことが予想できます。

そういう中でやはりWeb開発エンジニアの比重が高く、インフラに関わる人は少なく仕事も集中してしまうでしょう。 そこで Chef を使って、作業部分はソフトウエアに任せたいとういのは理解できます。

正直もう少し参加者があればと思うところはあれど、想定していたことが成り立ったので良い検証になりました。

気づいたこと

やっていくうちに分かったことがありました。

学べるものは一通り学びたいというモチベーション

今回は4回の実施で徐々に実践的・高度な内容になるカリキュラムにしました。

結局、参加いただいた方は Chef 初体験だった訳ですが最後まで参加いただけました。 段階的に考えるならば途中でやめても概要は学べたはずですが、初回申込時から最後まで受講する予定のようでした。

おそらく、普段学ぶ時間がないから今回のカリキュラムを全部受講してすべてを学びたいというモチベーションがあったと思います。

予想よりも学習への高いモチベーションがあることがわかりました。

Windows PC へのセットアップが鬼門

初回は レンタルした Windows PC に Ruby 環境を整え、Chef をインストールしたものを貸し出しました。 確かに、Windows のセットアップはなかなか Linux や Mac のようにはスムーズに行かず手間がかかりました。

受講者の方も2回目以降は自分の Windows PC を使って参加したのですが、そこへのセットアップはなかなか手間がかかり、私もメールでヘルプし何度もやり取りがあって、なんとかできました。

市場に出ている Chef 実践本は Mac での環境構築の説明のみで、Windows 環境に対しての情報は少ないことがわかり、Windows PC へのセットアップ方法の説明は需要が高そうなことがわかりました。

今後

今回の結果を経て今後を考えます。

同じようなパブリックに募集して有料トレーニングを複数回行う形態は今のところ考えていないです。

今のところ2つのアプローチを考えています。

短期間の集中トレーニング

最後のカリキュラムまで学びたいとすると、複数回行うと参加者の時間確保が課題になりますので、間を開けずに一気に学習する形態はどうかと考えています。

例えば、1日6時間 x 3日連続 のような短期プログラム。金曜日の夜、土日まるまる2日使うスケジュール。

このメリットは、仕事の影響を受けにくく時間確保がしやすい。短期で一気に学ぶことができる。

受講者が振り返る時間はないですが、2週に1回のペースでもその間仕事に追われてなかなか復習する時間が設けられなかったようなので、プログラムが終わってから専用メールで受け付けることでフォローできるかと思いました。

手順を本で出版し、補完としてイベント開催

初心者の受講者にとって一番の課題は、環境構築とサンプルが動かせるかどうかです。

理解を促す説明も必要ではありますが、それよりも確実に動く環境構築、手順、サンプルが重要な事が分かりました。

リアルなイベントは時間的制約が大きく、個人の理解度の差で時間が足りない場合が出てきます。 そこで、動かすのは手順書的な本を読みながら自分のペースで、理解の不足はイベントで補完する形態が良いかと思いました。

本の通りに実施し動かせるようになったら、そこで出た課題、疑問点を解消するためにイベントに出る。本を購入していることが条件になるので、イベント参加料金は安価に設定できるでしょう。

調べてみると Chef 関連の出版されている本は、環境構築(特にWindows PCでどう行うか)とサンプルを動かしながら理解を促す内容が乏しいようです。

誰でも確実にできる手順 を本にすればある程度の売上は見込めそうです。

今のところ短期集中トレーニングよりも、Chefの手順書的な本の出版 & イベント をやってみたいと思っています。


今年は OpsDeliver Web のリニューアルリリースとスポーツ系のサービス作りを本格化させる予定もあるので、 時間的になかなか厳しい状況だが、学んだことを活かさないともったいないので、隙間時間を見つけてやってみたいと思っています。

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