Book 博士の愛した数式


ひさしぶりの小説。おそらく5年ぶりかもしれない。

中学生くらいの時は夏目漱石に没頭して全ての執筆作品を読破したのに。

「小説が読みたい。」ふと思った。ここ数年はビジネス書やスタートアップ関連の本ばかりを読んでいて、自分でも飽和していたのかもしれない。

「素数」、「公約数」、「ルート」理系出身者には懐かしい学生時代に触れた数学の用語たちが登場する。

小説に出てくる博士の教えてくれる数学の話はとてもわかりやすく、出てくる数式もシンプルだ。 式の結果はとてもシンプルな形になる。このシンプルさが数学の魅力だったのかも。 最初は難解でも徐々に解き明かして最終的にシンプルなものに収束する。その結果に辿りつけた時の快感があったなぁ。と懐かしくなる。

主人公の私と一緒に問題を解いていくうちに数学の魅力を再び感じることができた。

数学博士というと「応用のきかない学者バカ」という先入観を持っていたし、実際小説内の博士の生活力は低い。だが、その博士が子どもに向ける愛情は計り知れないほど大きい。そのギャップに強い意外性と人間性を感じることができる。

主人公の息子ルートと最初に出会い、博士が十分な包容する様子に涙した。豊かで大きな愛を感じた。

豊かな言葉が散りばめられて、それらを元に自分の頭の中で情景が描かれていく。 そうか、小説は頭の中の想像でシーンを描きながら読み進めるられるのか。 主人公の私、ルート、博士 3人で構成されるシーンは日常の何気ないものかもしれないが、とても豊かで様々な情にあふれている感じがした。

あぁ、小説ってこんなにも感情を揺さぶる力があるのだな。

小説の力を感じた。