コンフェデレーションズカップ2013 ブラジル x 日本 雑感


「失敗した時こそ学ぶことができる」
なんて、そんな思いが強かったもので、はじめてですがサッカーの試合について見ていて思ったことを自分なりに書いてみたいと思います。

実は NHK BS1 でやっている、プレミアリーグ、セリA、ブンデスリーガなどの試合を見てきていて、サッカーの奥深さを感じたり勝つために必要な要素は何かと考えるのが趣味というか、ビジネスにおける自分の振る舞いや考え方に良い影響を与えてくれていたりします。

さて、コンフェデレーションズカップ2013 ブラジル x 日本 は 0-3 の結果でした。

選手は何をしたかったのだろう?

試合前の日本代表選手の言葉は「ブラジルに勝つ」でしたが、どうやって勝機を見出すのか実際の試合ではその意図を感じることはできなかった。
あの発言とこの試合内容が一致していない違和感を強く感じた。単純に気持ちが高ぶっているだけの発言だったのか、やろうとしたことはあったけど全く試合ではできなかったのか。やろうとしたことがあったとしたらそれは何だったのか知りたいところ。

開始3分でのネイマールの素晴らしいゴールは、なかなかお目にかかれないくらいなもので、あれを「事故」としてすぐ忘れて切り替えることは必要だった。それでも日本の運動量があがることはなくて、ゆったりとボールを回すブラジルのペースに合わせてしまうように、アグレッシブさやスピード感のあるボール回しが消えて時間だけが過ぎてしまったような試合全体の印象。

日本の失点シーンは完全に崩された訳ではなく、一瞬の隙をつかれて2点を失って、3点目は前掛かり行った結果なのでまぁしょうがない。1点目、2点目を防ぐにはちょっとしたディフェンスの出足や読みが必要だったのだけど、日本はそこまで行きついていなかった。
ああいうライナーのクロスをゴール正面に正確に送られることはアジア予選ではなかっただろうから、アジアレベルに慣れきってしまったのかもしれない。
しかし、ブラジルは少ないチャンスでも高い確率でゴールにすることができるシュートがうまいなぁ。

ちょっと気になっているのは、試合の最初から日本のスピード感が全くなかったこと。パスのボールスピードも人の動き遅く、逆にブラジルの動き出しの早さ、特にディフェンスでここぞというところでの体の寄せるスピードは日本に明らかに早かった。
理由は、芝の長い荒れたピッチなのか、疲れなのか、暑さなのか、それともブラジルという見えないプレッシャーやリスペクトのし過ぎなのか。
後半20分くらいですでにバテ気味で、3点目を決められた時のCB吉田の振り切られっぷりを見ると、試合前から疲れはあったのかもしれないけど、もっと速くプレーできないとどの国とやっても勝機は見いだせないのではと思う。

チーム再編成のスタート

ザック監督の采配が不明とかハーフタイムで叱咤したとか言われているけど、多分ゲームプラン通りに全くいかなかったことやスピード感がなくミスを連発したことに対して、ふがいないと思ったからなのだろう。そこは同感できるが、その理由がどこにあったのか早く見つけたいところだろう。

客観的な話でいけば、監督としてみれば1年後のワールドカップの試合までにチームの再編成をする、そのスタートとしてこのコンフェデレーションズカップがある。アジアレベルから世界で戦うためのチームへ変わっていくためには、基準を変えてどの選手が通用するのかしないのか見極めたいことろ。
交代の時にその意図が感じられた。遅すぎるとか言われているけど、試合に勝つということよりも選手の見極めを優先したのではと思う。
今の日本で言えば、不安視されるのがボランチの2名。長谷部は所属チームのウォルクスブルグでは右SBでボランチでの出場は長らくしていない。本職ではなくなっているポジションでパフォーマンスを向上させることができるか疑問。遠藤は年齢のせいかパスミスが増えているし、走れなくなっている。そういう意味で最近細貝を頻繁に交代させているのだろう。あと根本的な問として本田はアジアでは通用するが世界ではどうなのだろう?という点。ブラジル相手にボールキープ力はある程度発揮できたが、前を向いて攻撃の起点になることはこの試合ではなかった。あと個人的には岡崎はアジアでは通用するが世界では通用しないのではと思っている。裏への飛び出しや献身的な守備が持ち味だけど、この試合では飛び出すシーンがもともと少なかったし、強豪国の場合裏が取れるシーンは少なくなる。守備ではブラジルの強いフィジカルの前に何度も倒れてしかもノーファールだった。

ブラジルとの差は何か?

アクロバティックなテクニックが出来ることでもなくて、やっぱり基本的なボールを止めて蹴る、危険な時にはディフェンスする。というごく基本的なことがとても高いレベルでできていることかと思う。試合運びのうまさという点もあるけど、それは落ち着いて奪われないようにボールを回していることで生まれていたので、「ボールを止めて蹴る」ことが一番重要な気がした。
この試合の日本のボール回しは何か危なっかしくて、トラップがちょっと乱れてディフェンスに奪われたり、パスミスしたりがあって、あーやっぱりとられた。と見ていて思う。荒れた長い芝のせいかもしれないが、ブラジルは同じ環境で的確にパスを回していたし、そこに大きな差があることは見ていてよく分かった。

おそらくこの試合は見ている以上に選手にダメージを与えたと思う。実際接してみていろんな側面から差を感じたと思うので、結構こてんぱんに近く自信喪失気味な所まで落ちたと思う。それはそれであとは上がっていくしかないのだから、むしろ変な満心感をなくしてもっと強くなるためには自分は何をすればいいのか。しっかり問い続けることができるか。
その考えた結果がイタリア戦、メキシコ戦に少しでも出せるといいけど、時間がないから間に合うか?ブラジル戦と同じような感覚でやっても何も得るものはないので、間に合ってほしいなというところ。

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