1回目のスタートアップを終わりにしました。


一部の方にはお伝えしていましたが、やはり対外的にちゃんとお伝えしないとと思い書くことにしました。

fluxflex inc. は現在も存在しサービス提供を続けておりますので、会社がなくなった訳ではなく個人的なことであることを最初に記しておきます。

1月末日付で fluxflex inc. の取締役を辞任しました。持っていた株式の大半も譲渡したので、現在は少数株主としての関わりになっています。

fluxflex はシリコンバレースタートアップをやりたくてアメリカに登記した、自分にとっては初めてのスタートアップでした。デラウエア州に登記したのが2010年3月、サンノゼのオフィスをスタートしたのが2010年6月、登記から2年が経過してました。

スタートアップは独特な世界でとにかく初めての経験ばかりだと思ったので、今まで経験に固執することなく一回リセットし、まずやってみるというスタンスで始めました。ノウハウもないのでストレートに進めずに紆余曲折もあるだろうから、とにかく時間を確保する必要があることも想定して、個人会社である ShakeSoul での仕事を止め、すべての時間をかける環境を作り取り組みました。

やってみるとうまくいった部分といかなかった部分があって、個人的にはうまくいかなかった部分が大きくなり、負担が大きくなりすぎてしまいました。

要因の一つは経済的負担で、ある期間身を削ることを想定していたものが、想定より期間が伸びてそれだけ傷が大きくなり、結果的に家族への負担も大きくしてしまいました。自分の中のルールとして、多少傷をつくことは想定しつつ傷つきすぎて死んでしまわないようにすると決めていましたが、結果的にかなり傷ついてしまって、そのことに気づかないように過ごしてきてしまっていました。

もうひとつの要因は当初掲げた実現したいコンセプトやモデルが変わってしまったことが大きいと思います。新しいものに対して情熱を見出すことは難しかった。

一方、得たことも大きく、多くのスタートアップの創業者やそれを支えるエンジェル、インキュベータ、VCなどの方々とつながれたことは、今後の大きな財産になりました。私のパーソナリティを知ってもらえたことも大きかった。

また、サービスを語ったりピッチしたりする際に、重視する項目や必要な構成要素が何かを学べました。ビジネスモデル、ターゲット、ユースケースなどをどう定義してサービスをつくり上げるか、思考方法というか頭の巡らせ方のようなものを掴んだ気がしています。この学びは2回目以降に生かせるはずで、迷いなく進める重要なノウハウになります。

振り返ると、焦ってやりすぎた。という気がしています。確かにスピード勝負な世界なのですが、色々な側面のロジックを作ることや判断する時期を作って地道にステップを踏んだほうが、結果的にまっすぐな道を進めていることになる。ということが教訓だったと思います。このことは今まで事業を作る際に実践してきた手法と合致していて、実はそのノウハウがそのまま使って良かったと思える意外な発見となりました。

これからはじっくりスタートアップの流れ、世の中の流れを見つつ少し充電して、2回目の準備をできたらいいなぁと思っています。

今は経済的損出を補うために個人会社を復活させて売上をあげています。幸い、人脈から良い案件(レベル的にも)に巡りあえて、新しいこともチャレンジできる環境にいます。売り上げ的にはfluxflexの給料の3倍程度なので、一度見失いつつあった自分の価値を再確認したり、損出がなくなりつつあり、これはこれでとても大事な時間を過ごしています。

自分にとっては最初のスタートアップのチャレンジはステップアップのための大事な経験になりました。今までの模索していた状態を終え、今後は模索しながら得たものを信じて進む段階に入れたらと思っています。かなり曲がりくねり戻ることもあった歩み方から今後はストレートに1/4くらいの距離で進める気がしています。

今後もスタートアップの世界は注視していきたいと思っていますので、イベントなどでお会いするかもしれません。では、またその時に。

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