「51歳の左遷」からすべては始まった 川淵三郎


「51歳の左遷」からすべては始まった (PHP新書)

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Jリーグ発足時にチェアマンだった川淵三郎さんの本。サッカー協会にいる間というよりかは、サラリーマン時代より共通して重要だと思った事項をまとめた付属的なお話といえる。自分の中で日本サッカーの躍進と基本思想といえば、この人が象徴的な存在になっている。

タイトルに「左遷」とあるが、実際は子会社へ部長職での出向なわけで「左遷」というには大げさかと思う。さらにサブタイトルの「大逆転のリーダシップ論」とあるがリストラされて職を失ったわけでもないから、大逆転というのも釣りっぽい感じがする。

ただ、51歳という人生における「何らかの落ち着いた職に就くだろう年代」から日本サッカーリーグに入り、Jリーグを発足させ、トップのポジションに就いたことを考えると、新しいことをなす時には年齢は関係ない。ことを実践しているわけで、これは40歳以降のキャリアデザインができない自分にとっては大きな励みになった。

というのも、転職する、起業するなど手法がどうあれ、職種を変える、今いるフィールドを変えることはとても大きなリスクであって、確実に自己実現につながるキャリアアップになるか、経済的にも成り立つのかの問に対して、確実なことは何も言えない。

特に年齢が上がるほど、キャリアが上がっていることを想定すると、よりスケールの大きなことを望むはず。「スケールが大きい = 失敗のリスクが高い」だろうから、本当にチャレンジしていいものかどうか、それを現実的なプランにしていいのかどうか。まだよく考えられていない状況がある。

励みになったからといって、今からJリーグのチェアマンになるという目標はたてないと思うけど、なにか今と違ったフィールドを想定するのもいいなぁと思った。

書かれている内容は川淵さんが古河電工のサラリーマン時代に得た経験やノウハウで、チェアマン、キャプテンとして日本サッカー協会の中でも使ってきたものを紹介している。

大企業でたくさんの役割の人の中でのふるまい方というのは確かにあって、スタートアップの経験とはまた異なるノウハウは確かに存在すると思う。これはこれで貴重な経験、ノウハウだと思っている。

Jリーグの地域密着とか芝生の校庭の小学校をとか好きなのだけど、その思想がどこから来たかはこの本からはわからないが、サラリーマン時代のノウハウというのはスポーツ界でもいろんな場で生きるものだと思えた本。

この本が出版された年が2009年でこの時70歳で、キャプテンも辞められているが、実に20年以上も時が流れ、携わり続けたことが何とも素晴らしいキャリアだと思う。

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