2008年くらいにアジャイルという単語を知って、著名な本を読んでみたりしたが、いつの間にか市民権を得ているアジャイルという単語。
「***手法というのがあってドキュメントがあるから読んでみる?」みたいに言われて読んでみてみたけど、今まで読んだ本に書かれていることと結構ダブっていたり、仕事でやってみたことと同じ部分もあった。やはりアジャイルは概念ではなく具体的な実践のための考え方だなぁと再認識した。
紹介されている手法と重複していた実際やってみて良かったかなと思うやり方をこれを機にまとめてみる。今後忘れないためのメモでもある。
特に今はなきコミュニティーエンジンと一緒に2009年夏~2010年春にかけて3Dバーチャルコミュニティの立ち上げプロジェクトをやったときの経験が多いと思う。本当にいい経験をさせてもらったと今更ながら思い返す。
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役割分担</p>
- 1チームは3~5人。1名のプロジェクトマネージャとその他はすべてエンジニア
- エンジニアの技術的手法にはプロジェクトマネージャは口を出さない
- プロジェクトマネージャは顧客とのインターフェイスに徹する。つくるものの内容(仕様/要件)の確認や進捗の報告を行う
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スケジュールを状況変化に応じて日々更新する
- 機能ごとの工数見積りはエンジニアが行う
- 更新するのはプロジェクトマネージャが行う
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バーンダウンチャートを活用する
- 全体の工数と進捗率がビジュアル的に分かり、共通認識がつくりやすい
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毎日15分の立ったままミーティング
- 各人の昨日やったTODO、今日やるTODOを言う
- 相手へのリクエスト(相談や説明がほしいなど)、その場で解消せずに当人同士で後で時間を決める
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週1回のミーティング
- スケジュールとゴールの共有
- バーンダウンチャートの確認
- プロジェクトマネージャから全体の情報や変化している状況をエンジニアに伝える
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エンジニアが日常的にプロジェクトマネージャへ相談する
- 実装する上での不明確な点の解消
- プロジェクトマネージャはいつでも相談される体制にしておく
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TODOのチケット化、ポストイット
- 担当者の受け渡し可能
- チケットの処理状況はバーンダウンチャートに反映される
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スケジュール(A4 x 9枚くらいに大きく印刷)とポストイットを壁に貼って可視化する
- 各人のタスクと順番が確認できる
意外と良かったのは5cm x 5cmのポストイットを使うこと。1つのマイルストーンごとに壁に貼って、今やっているものを固めて貼る。終わったら別の場所にまとめて貼る。新たに出てきたタスクはポストイットに書いて壁に追加する。受け渡しもポストイットを渡すだけで簡単。最初チケッティングシステムを使っていたが、いまいちチケットの進捗が出にくくポストイットも併用した。メンバ全員が全体量が見えやすく、受け渡しがしやすかった。1マイルストーン分のポストイットが壁から消えたら終了で全員で達成感を味わえる。で、次のマイルストーンも同じようにとりかかる。
あとはバーンダウンチャート。これも全体量を可視化しやすく達成率が分かるが、これはタスクの処理速度が速いか遅れているかが分かりやすい特徴がある。
特にアジャイルという言葉に縛られずに、流動的な事態に対応しつつ確実に進めていくために、どんな手法を使うか。事態に飲み込まれることなく、積極的に工夫して自分たちがやりやすい環境を作りだそうとする姿勢が大事なのだろう。
困難な状況でも日常的に行う手法で楽しんでいければ、チームとしてはより良いパフォーマンスがしやすくなるということだろう。
今後もより良い手法を見つけていけたらと思う。