ハッカーと画家


いつ読み終わったのか忘れてしまったのだけど、この日だということでレビューを書く。

兄貴に「これサイコーに面白いよっ!」と勧められた本だった。買う前にアマゾンのレビューを見るとベンチャーとしての文化や考え方が記してあることも読んでみたい部分だった。(ここで言うベンチャーは日本での、ではなくて、シリコンバレーにおけるexitを目指すバリバリのベンチャーのこと)

ハッカーと画家 コンピュータ時代の創造者たち

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実際、シリコンバレーでexitに成功した人の話を聞く機会はほとんどない。さらにそれがノウハウというか発想や考え方にレベルまでまとめて述べられているものは、なおさらない。日本では成り立たない話でもあるので、入って来にくい状況も背景にはある。

この本は実際にexitを経験した筆者が語るプログラミング、言語、ベンチャーとしての振る舞い、Webサービスの運用、exitの経験など、筆者の生きた経験談であり、そこからつかんだ思想やノウハウを語ったもの。タイトルの「ハッカーと画家」は、複数あるうちの1つの章の題名なので、この本全体の内容を現してはいない。もっと広範囲でもっと汎用的にな内容になっている。

ベンチャーとしての具体的振る舞いやそこからつかんだノウハウを知りたかった自分にとっては興味のない章もあったけど、そこは飛ばして読んでしまえばいい。

逆に興味をそそられる内容には非常に大事なエッセンスが詰まっていて、何度もその部分を読み返すほどの衝撃があった。本当に面白い。

読み飛ばす部分も引いたとしてもこの本は価値が高いと思う。その価値は稀少性があるし、ベンチャーとしての普遍的な思想がしっかり示されている。

「なぜベンチャー企業は小さくなくてはならないんだろう。なぜ起業は大きくなると必然的にベンチャー企業でなくなるんだろう。そして、なぜそういう新興企業は新しい技術の開発に取り組むんだろう。」こんな文章があって答えを筆者なりに解説している。

これぞベンチャーだよな。とホッとする。嬉しくなる。ますます確信になる。

あまり日本では書かれないような部分として、大企業を徹底的に比較して批判しているところ。人のスキル、技術力、文化、組織構造、多岐にわたって比較している。これは痛快だし、本当に面白い。詳細な分析にもなっているので、納得感も高い。

付箋紙をはった部分は本当にたくさんあって紹介しきれないけれども、何かしらとんがった仕事の振る舞いを模索している方には最適な本だと思う。

この本が出版されたのは2005年。実は結構時間がたっている。すでにシリコンバレーでは常識的なことなのだろう。

こんな本が日本人から出ることはあるのだろうか。いや、当分ないかもしれないと思いつつ、自分のこれからの振る舞いの教科書としてこの本は位置づけられた。

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