INTEROP Tokyo 2009 に行ってきました もうネットワークは完全に成熟産業化したと思った


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おそらく7年前から毎年、INTEROP に行っている。やはりネットワークに関する最大級の見本市だし、web 全盛の前時代はネットワークがコアテクノロジだった訳で行くのは必須くらいなものだった。

しかし、最近は web 開発の時代になってネットワークはあって当たり前なものにますます位置づけられて、新しい技術も生まれることなく高速化だけがホットトピックスになる状況だった。衰退ぶりが実感できたのは展示ホールの広さで、ここ最近は年々縮小していて、7年前は1~8ホールまですべて埋まっていたのに、3年前では6ホール分に減っていた。

今年はどうなのだろう?レイヤの上の方に幅を広げてきた自分にとっては、最近のネットワークだけの状況はあまり分からないながらも、このイベントの変化が現状を知る良い機会だと思って行ってみた。

なんと、今年は展示ホールは3ホール分。IMC や RSA など付属的な展示物を含めて3ホール分しか展示されていない。あー、ついにここまで来たのだなと現実を実感する。

確実にネットワークの産業は成熟化したと言っていい。新しいイノベーションは非常に起きにくくなっているし、高速化へ邁進するプレイヤーは体力のある一部のルータメーカにしぼられた。レイヤ1~4の幅の中での新しいことはほとんどなくなっている。

なぜかというと、

  • 高速化してもその帯域を必要としているところはごく一部であり、おおむね 1Gbps の物理帯域があれば十分なところがほとんど
  • 標準化によって異メーカ間接続が可能になり、つなぐことに関しては安定性、信頼性が高い環境が提供しやすい
  • ネットワーク機器を使う人たちのノウハウが時間とともにたまり、新しい技術や機器を習得しなくてもすんでしまう環境がある
  • ネットワークのレイヤで制御できることは非常に少なく、ソフトウエア側のアプローチでレイヤの高い部分も網羅した制御プロトコルやミドルウエアが多く開発されている

という状況があるからかと思っている。

展示をいくつか見て気づいたことメモ

  • Cisco が展示を出していなかった</p>
    • みんなが知っている存在になっているし、もうネットワーク業界にブランドを提示する必要はないからか
    • サーバに進出していることよりネットワークはもうOKと判断しているのかも
  • 人だかりが割とできていたところ
    • Palo Alto Networks : L4レベルどまりでなく、アプリケーションの振る舞いを可視化して制御する Firewall 製品を提供している
    • TippingPoint : 不正侵入や攻撃、ハッキングを防御する製品を提供している
    • ネットワークレイヤを超えてくるものまたは単純なセキュリティ機能からトレンドを追うような動的な制御を行う製品が注目されている
  • Juniper の 100G FPC の展示を興味深く見る人がほとんどいなかった
    • 高速化の興味を持つ人が少なくなったのか
    • そもそも Juniper の FPC を使うような大きめなルータを使う人が少なく気づかなかったのか

クラウドコンペを見て

今年の INTEROP に行く目的のもう一つはクラウドコンペの発表内容を聞くためだった。クラウドについてすでに取り組んでいる人たちがどんなことを実際行っているのか、どんなアイデアを持っているのか非常に興味を持って聞きに行った。

実際は全10ある中の2つのプレゼンテーションしか聞くことができなかったが、その2つはクラウドというよりかはクラウドに無理矢理こぎつけて、独自のネットワークの距離を測ったり、MapReduce のようなすでにあるものを使ってちゃんと動きました的な内容を発表していた。おそらくこのコンペに合わせてというよりかは今まで研究、検証してきた内容を発表する機会として発表者は利用したのかと思う。

発表内容のレポートはすべてではないが IT Pro の記事 にまとまっている。

そいういう意味では優勝チームの発表は是非聞いてみたかったが、内容を見るに自分たちでクラウドを作るためのアーキテクチャを確立し、開発したという点で真正面からクラウドに取り組んだ結果だけに優勝は当然かと思った。

期待して聞きにいってみたが、クラウドに対して真っ正面から取り組んでいるプレイヤーはほとんどいなかったし、まだ少ない状況だということがよく分かった。

そういう意味では ShakeSoul で Amazon EC2 フルサポートパック を展開していることは市場の中で結構なイニシアティブを持っていると思っている。

来年の INTEROP はどうなっていくのだろう?US の INTEROP は成り立っているのかどうか?

ネットワークレイヤしか、知らない/やってこなかったエンジニアはどうなっていくのだろう?

この大きな流れはもう戻ることはないと思いつつ、何とも言えないむなしさを抱えて予定よりも早く見終わってしまった幕張を後にした。