パラダイス鎖国


実は JTPAシリコンバレーカンファレンス2009に参加する前に読もうと思い、行きの飛行機に乗る直前まで書店を探したのだが売っておらず、結局帰ってきてからネットで注文して読んだ。

本も読まずにシリコンバレーでは海部さんと懇親会でお話ししていて、実は大変失礼な状態だったのだがブログは読んでいるのでご愛嬌ということで。

パラダイス鎖国 忘れられた大国・日本 (アスキー新書 54)

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「パラダイス鎖国」というキーワードのイメージする通り、日本はパラダイスのように住みやすく過ごしやすい国になったが、同時にグローバルな世界と疎遠な鎖国状態に陥っている。という主張をしている本。

本の前半の5割ちょっとの文章は経済指標などの数字を用いて歴史的に日本がパラダイス化/鎖国化してきた背景を説明している。数字に対する分析内容や結果から著者の考え方は若干うかがえるが、特にこれといった強いインパクトもなく淡々と状況分析している。

この本の価値は後半のシリコンバレーという特別な場所の様子/考え方/文化と著者自身が様々な経験を通じて得てきた生き方/振る舞い方としての主張が出てきてからかと思う。この部分が自分にとってはシリコンバレーに行ってきた経験やインターネットを中心とした生き方の模索と重なり合って、共感や更なる模索や生き方のヒント与えてくれた。

本書の中に戦略的パターンとして「シリコンバレー型試行錯誤方式」が出てくるが、従来日本人が得意とする「プロセス効率化重視」ではないこのやり方こそが、唯一日本が 脱パラダイス鎖国化=開国 するために必要な解決策として提言している。この「シリコンバレー型試行錯誤」を転職を重ねながら実現してきたように思う。今 ShakeSoul を作ったことでもっとこの試行錯誤が求められるような状況になっている。何となく自分の判断でやってきたことがつながり定義づけられたことで、自分の方向性の再確認ができた。

日本にいながら実現するためにネットを活用することを提案している。言い方は違えど、梅田望夫著の「ウェブ時代をゆく」のエッセンスと同じであり、文章としてはよりか噛み砕いて具体例を用いて分かりやすい示し方をしている。

シリコンバレーから帰ってきて思うのは、まだまだ日本のビジネスの現場には「混沌とすることを恐れる」「議論を望まない」「プチ変人を受け入れない」などの部分が根強く残っていると感じた。残っていると言うよりかは経験にしがみつき発想の転換が図れていないと言った方が正確かと思う。

日本にいながらこういったアプローチが本当にどこまでできるのか。ネットを使って英語を学びワールドワイドな活動と視点を手にいれて働くことが可能になるのか。本書ではいくつかの具体例を挙げているが新しいアプローチに対して確証はない訳で、これはこれを読んだ人が本書の提言をヒントとして模索しながら何かをしていくしかないのかと思う。

これからシリコンバレーと継続的にどう関わろうかと考えていた自分に取っては最後の方に出てくる「軽やかなグローバル化」というのは短期的な目指す姿として大変参考になった。

シリコンバレーから帰ってきてこれからを悶々と考え続けている自分にとっては決めていくためのいいヒントをもらえた。

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