総務省「事業計画作成支援コースの運営とベンチャー支援上のポイント」にみるやる気


http://blog.livedoor.jp/lalha/archives/50215344.html を読んで http://www.soumu.go.jp/s-news/2008/080307_3.html からダウンロードしてみた。

手引きの方はページ数が多すぎなのでまず「事業計画作成支援コースの運営とベンチャー支援上のポイント」から。

確かにすごい。総務省という国の機関がビジネスフィールドに対してここまでやるかと思ってしまうくらい真剣で実践的で、ベンチャーのアーリーにいる人や起業したい側にも、将来エンジェルやVCを仕事にしたい側にとっても1つのいい教科書になっていると思う。

ベンチャー側にとって

友人の友人に頼み込むなど面倒なステップも踏んで、顧客候補や業界キーパーソンとの多数のインタビューを設定したか。普段から各方面の優れた人材とのネットワーク作りに取り組み、インタビューのアレンジを依頼できたのか

顧客の切実なニーズを徹底的に聞き出し、使用状況をつぶさに観察し、徹底的に市場性の確認、仮説修正、再確認をしたのか。顧客ニーズ、顧客特性、顧客セグメンテーションについて2~3時間は語り続けられるほど、顧客を研究し尽くしたのか

顧客が飛びつくほどの圧倒的に優れた製品・サービスを開発しようとしているのか

と問い詰めてみたり、講師側の条件としては

– ベンチャー事業計画を単独で、あるいは共同でも深くかかわって作成した経験が5回以上あること

– ベンチャーへの投資経験が3回以上あること

– できれば、ベンチャー社長側に立ったVCとの交渉経験が3回以上あること

– できれば、企業経営者としての経験が少しでもあること

大企業の経営幹部として豊かな事業経験、成功体験があっても、ベンチャーの実態、実務にはうとく、投資の経験もない。

その上、大企業幹部経験者としてのプライドが強すぎて不必要な摩擦を生じる。長らく部下に任せていたため、事業計画作成の実作業ができない

と言い切ってしまう。このはっきりした言い切り方が気持ちいい。これのもとになる目的は

事業計画作成支援コースは、「事業計画作成とベンチャー経営マニュアル」の5ページに記した以下のねらいを実現するために企画され、実施された

グローバルな競争が日に日に激化する中で我が国がさらに発展するためには、イノベーションの担い手として、先進的・独創的な技術などをもとに高収益のビジネスモデルを具現化するICTベンチャー(情報、通信・コミュニケーションなどの分野のベンチャー)が多数生まれ、急成長することが強く期待されている。米国シリコンバレーやインド等諸外国の例を持ち出すまでもなく急成長するICTベンチャ数年後には中堅企業となり、ーが、5~10年後には大企業となって産業を牽引し、技術革新をリードすることは、日本が世界的競争を勝ち抜くためにも必須と考えられる

としていて、これに添ってしっかり実践している。

この資料を落ち着いてみると、結構いろんなエッセンスが入っている。

  • 会議を成功させるための実践的な事前準備 P3</p>
    • 人数/会場規模、机配置の指定、備品の指定
  • コーチングの手法の指示 P6, 8
    • 相手を自発的、積極性を誘発するコミュニケーション方法
  • ベンチャー企業の成長力の大きさ P2
    • 長期的には現在の大企業に代わりうる存在になるという認識
  • ベンチャー企業が上場を目指す理由 P9
    • 上場への指南
    • 上場をしないことによるデメリット
  • ベンチャーと大企業は明確に求められるスキルが異なること P7

JPNICの会合の時に総務省の担当者さんの話を聞いたりして、インターネットや携帯を管轄にしている機関だから古臭さとかがごっそりない部分が面白なぁと思ったけど、今回もネット企業と同じように常に新しさの先にいるところなんだなと思った。

国がここまでする(してくれる)のはある意味過保護かもしれないけど、シリコンバレーみたく循環する仕組みができるようになるきっかけはすでに始まっているのかと思う。